チューブレスタイヤはパンクに強く乗り心地もよくなるため、ロードバイクやマウンテンバイクなどのグレードアップにうってつけのアイテムです。
この記事では実際に乗りこなすスポーツバイク専門店スタッフがチューブレスタイヤの仕組みやメリット・デメリットについて解説します。
「チューブレスタイヤは良さそうだけどよくわからない」「自分の用途でアップグレードの意味があるか判断したい」という方は必見です。
またおすすめのチューブレスタイヤ15選のほか、交換方法など運用時に知っておきたい知識もご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
目次
一般的にチューブレスタイヤと呼ばれるのはチューブレスタイヤとチューブレスレディタイヤの2種類があります。
まずはそのうちチューブレスタイヤの仕組みです。
チューブレスタイヤは内側にエア保持層を備えているため、従来のタイヤで使われるインナーチューブを必要としないのが特徴です。
「TLE」「TL」などと記載されることもあります。
チューブレスレディタイヤはチューブレスタイヤ同様にインナーチューブを必要としませんがエア保持層がないまたは薄く、タイヤのみでは空気が漏れて使用できません。気密性を保つためにシーラントという液体が必要です。
「TLR」などと記載されることもあります。
実はチューブレスタイヤとチューブレスレディタイヤの構造からくる性能の違いはそこまでありません。なぜならどちらもチューブを使用しないためメリット・デメリットは変わらず、またシーラントはパンク補修剤としてチューブレスタイヤでも使う場合が多いためです。
一般的にはその構造にこだわる必要はなく、ホイールやつけたいタイヤの適応で選びます。
チューブレスタイヤはスポーツライドとして本格的に走る方におすすめです。総合性能が高く、レースやロングライド、オフロードなどどんな場面でも役立ちます。
費用はかかりますが、パンクの心配も減りますしパフォーマンスを上げたい方はぜひ挑戦してみてください。
タイヤ選びには太さや系統、機能、重量などさまざまなポイントがあり、一つずつ見ていくと失敗しづらいです。
適合チェックや選び方も含めて解説します。
取り付け可能な太さは車体とホイールの組み合わせによって決まるため千差万別です。仕様書やメーカー公式サイトの記載を確認しましょう。
それができない場合の目安としては、ホイールの幅1.4〜2.4倍かつ取り付けたときにタイヤと車体の隙間が4mm以上空くものであれば取り付けできる可能性が高まります。
ただしつけてみないとわからない場合も多々ありますので、不明な場合は販売店などに問い合わせて確認するのが安心です。
ホイール幅は「ETRTO(エトルト)」表記で確認可能です。ETRTOは17-622などと表記され、それぞれ17(幅)-622(直径)を表しています。
ホイールまたは仕様書、公式サイトで確認してみましょう。
取り付け可能な範囲で、お好みの太さを選んでいきます。太さは走り心地に影響が出ますので、今の太さをもとにどのような走りをしたいかで選びましょう。
大きなデメリットなく快適性が上がるのでロードバイク用タイヤは年々太くなる傾向があります
ロードバイク用のチューブレスタイヤには大きく分けて3つ系統があります。
それぞれメーカーが明示している場合が多いので、自分の走り方にあう系統を選びましょう。
レース用
転がり抵抗が軽く、重量も軽量な反面、耐久性は重視していない製品が多いです。ランニングコストは高いですがパフォーマンスに特化したい時に適しています。
トレーニング用
レース志向のタイヤをベースに耐久性も加味したタイプです。重量やしなやかさでは劣るものの長持ちし、耐パンク性能にも優れた製品が多くあります。 日常使用にも使いやすいです。
耐久性重視
転がり抵抗や重量、グリップ力はほどほどに、耐パンク性能や耐久性を重視しランニングコストに優れています。荒れた道にはもちろん、よく乗る方やコストを抑えたい場合にもおすすめです。
タイヤの性能を上げるため、各メーカーは独自に素材を開発するなどしてあらゆる機能性を付加しています。
種類は多岐に渡るので公式サイトなどの記載を確認して自分好みのものを選びましょう。
タイヤの重量は仕様やグレードによって様々ありますが、重さによってそれぞれ傾向があります。
一般的にスピード重視なら軽めのタイヤを、耐久性を求めるなら重いタイヤを選ぶとよいでしょう。
▼重量による違い
軽いタイヤ | 重いタイヤ | |
---|---|---|
転がり抵抗 | 低い →漕ぎ心地が軽い |
高い →漕ぎ心地が重い |
快適性 | 〇 | △ |
耐久性や耐パンク性 | △ | 〇 |
おすすめ | レースなどスピードを求める方 | 長持ちしトラブルも少ないタイヤを選びたい方 |
それぞれの用途でチェックしておきたいポイントをまとめました。
おおよそ1本あたり10,000円以上のものであればレースでも成績が上げやすい製品が選択肢に入ります。費用もチェックしてみてください。
レース用タイヤをベースに、耐久性も向上させたものを選ぶとよいでしょう。
トレーニングとレース用のタイヤでグリップ力などの性能が変わりすぎると、バイクの挙動をコントロールする練習にならず、レースの本番で車体やタイヤのポテンシャルを生かしきれないケースなどもあります。
長持ちするタイヤをお探しであれば、耐久性に優れたモデルを選びましょう。メーカーごとに高耐久モデルと銘打って発売されているような、トレッド(タイヤ表面のゴム)やケーシング(タイヤの土台部分)が厚く、減りにくくパンクにも強いモデルがおすすめです。
オフロードではグリップ力を発揮できるタイヤを選びましょう。「グラベル用」と銘打ったチューブレスタイヤがおすすめです。
オフロード用は太いものが多いので、失敗しないためにも次の二点をチェックしておきましょう。
生産拠点が東北で国産ブランドの代表格ともいえるタイヤメーカーです。チューブレスタイヤを長く手掛け、ロードバイクのチューブレスに至っては最初期から発売しています。
グリップ力だけでなくグリップ感を把握しやすいなど、乗り手がバイクの性能を生かし切れる製品づくりが特長です。
ロードバイクからグラベルロードバイク、シクロクロスバイク、マウンテンバイク用まで多数のラインナップを誇ります。
国内タイヤメーカーとして非常に有名なブランドです。広範囲なジャンルのタイヤを製造していますが特にオンロード用タイヤで評価が高く、グリップ力の高い製品を手掛けています。チューブレスタイヤのしなやかさと合わせ非常に安心感が高く転がりも優れているのが魅力です。
まだチューブレス規格がマウンテンバイクにしか存在しなかったころから数多くのチューブレスタイヤを製造し、多くのノウハウを蓄積しているブランドです。もともとマウンテンバイク色の強いタイヤブランドですが、ロードバイク用も含めて多くの製品を発売しています。
シリアスレースにまで対応できる優れた転がりとグリップが特長です。
ドイツを代表するタイヤブランドの一つです。レース用の高グリップ・低転がり抵抗のモデルから、ツーリング向け高耐久タイヤまで様々な製品を発表しています。チューブレスタイヤについてはレース用モデルがメインです。
取り付け精度が高くて取り付け作業が容易な点が強みで、大手ホイールブランドからリファレンスモデル(推奨装着モデル)として指定されるまでに至っています。
自動車用タイヤの世界では頂点に位置するブランドで、長いブランクを超えて自転車用タイヤの世界に再参入してきました。特にグリップ感については定評が高く、コンパウンド(タイヤ表面のゴム)のグリップ力だけでなく、タイヤ全体の形状や変形まで含めてコーナリングで優れた接地感を持ったモデルが展開されています。
一押しのブランドはIRCです。豊富な製品ラインナップに加え、ロードチューブレスの初期から製品を発売し続けていたことから、多くのノウハウを持ち、性能だけでなく作業性や接地感を把握しやすい操縦性などトータルで優れた製品をリリースしています。
ワイズロード新橋店 石澤
チューブレスレディタイヤでは必須ですが、チューブレスタイヤであれば入れる必要はありません。
ただシーラントはパンクしても小さい傷なら走っている間に修復するため、「入れておくと安心できる」と実走派のスタッフも使っている場合が多いです。
シーラントはホイールメーカーなどが指定している製品があればそれを使い、特に指定がない場合は気密性やパンクの補修能力を基準に選びましょう。
従来のタイヤからチューブレスタイヤに履き替えたい場合、第一にホイールが対応しているかの確認が必要です。
そしてタイヤだけでなく専用のバルブなど必要なアイテムがあります。
上記は一般的な例で、ホイールの付属品などで購入しなくてよい場合もあり車体や装着するホイール・タイヤによって大幅に異なります。
どれを使えばわからないときは店舗などにお問い合わせください。
チューブレスタイヤのメンテナンス面で気を付けるべき3つのポイントをご紹介します。
チューブレスタイヤは自分で交換することもできます。
おおまかな手順とコツをご紹介します。
▼詳しい作業解説はこちらの記事を参考にしてみてください
自分で交換するのが難しい場合はお気軽にワイズロードにご相談ください。
チューブレスタイヤがパンクした場合の対処法は主に次の3つです。
パンクの心配を減らしたいなら初めからシーラントを入れておくと安心です。
従来タイヤと見た目に違いはありませんが、チューブレスタイヤは飛躍的に性能が進化しています。対応ホイールと組み合わせることで、あなたの自転車の走りを1グレードも2グレードも引き上げてくれます。正しい使い方を知って、新次元の走りを手に入れましょう!
強いていえばチューブレスレディはタイヤ構造自体が薄くしなやかなのでより快適で転がり抵抗が軽くなり、チューブレスはシーラントがない分軽量にできます。ただメーカーや素材などによる影響が大きいので一概にこの通りとは限りません。