【専門店が解説】パワーメーターとは | おすすめモデルや効果を紹介
ロードバイクに乗り慣れてきたころにパワーメーターの導入を検討する方も多いのではないでしょうか。
パワーメーターはレースの参加意欲にかかわらず、もう一歩走りをステップアップしたい人におすすめのアイテムです。
この記事では、パワーメーターを導入する効果や活用方法、おすすめのパワーメーターを紹介しています。
目次
パワーメーターは真の漕ぐ力を測るアイテム
パワーメーターとは自転車を漕ぐときの力を計測するアイテムです。
ケイデンス(足の回転数)×トルク(ペダルを介してクランクに回す力)で求められる数値がパワーになります。
天候や道の道の勾配などの外部要因にほとんど影響を受けずに、純粋に自分の漕ぐ力を計測できることが特徴です。
パワーメーターの効果|走り改善の明確な指標を提示
パワーメーターでは様々な数値を計測することができます。
それらの数値を活用して走るペースを見直したり、走行する状況に合わせた体力の使い方を身に着けたりと、走りの改善に役立てる素材を得ることができます。
パワーメーターはあくまでも自分の今の状態を知るためのアイテムであり、それで得た情報を使うことで改善の行動につながることを理解しておくことが重要です。
パワーメーターで取得できる情報
パワーメーターでは主にパワーとケイデンス、機器によってはペダリングを計測することができます。
サイクルコンピューターなどの機器では、これらの計測結果を使って、負荷や疲労、出力パワーを数値化してリアルタイムで確認することができます。
取得したデーターを活用することで次の4つの事が可能です。
- コンディション管理
- ロングライドなどのペース管理
- より効果的なトレーニング
- 自分の強さを知る
ではパワーメーターで見られる情報が実際にはどのように活用できるのかを紹介していきます。
ロングライドでの活用方法の一例
パワーメーターは風や勾配などに影響されない数値を見られるので、一定のペースで走るために役立ちます。
漕ぐときのパワーを数値で管理することで、例えば最初の方に飛ばし過ぎて後半ばてることを未然に防ぎ、最初から最後までしっかりとペースを管理する事が可能です。
また長時間走る際に一定の負荷を保つことにも貢献します。
上り坂や向かい風など一時的に負荷がかかる場面でも、数値化されたパワーを見ることで負荷を下げる(軽いギアに切り替えるなど)かこのまま保つべきかの判断がしやすくなるのです。
疲労を貯めないためにも、数値化されたペースや負荷を確認することは意識的に走りを変えることに効果的です。
レースでの活用方法の一例
パワーメーターのメーカーによっては、時間経過ごとのパワーの変化をグラフに表した「パワーカーブ」を見ることができます。
パワーカーブは自分の脚質や得意分野を知るのに便利な指標です。
短時間のパワーの出力が大きい短距離走型か、パワーの減少が緩やかな長距離走型かなど、パワーカーブから読み取ることで自分の得意な分野を見つけたり、レースでの戦い方や力を入れる競技を選択する助けになります。
またパワーカーブの数字を超えないようにアタックをしたり、ゴール前のスプリントに持ち込むことで勝機を見出したりと、勝ちに向けた作戦立てにも活用可能です。
ヒルクライムでの活用方法の一例
パワーメーターから得ることができる情報の1つに、FTP(1時間継続できるパワー値の上限)があります。
ヒルクライムではFTP÷体重で算出できるパワーウェイトレシオ(PWR)を知ることで、自分の強さを知ることができます。
パワーウェイトレシオとは体重1sあたりのパワー値のことです。
平地では体重がある方がパワーを出しやすいのに対して、登りではいかに軽い体重でパワーを出せるかが鍵になります。
例えば体重が50sでFTP200W(=PWR4)の人と、体重60sでFTPが220W(=PWR3.6)の人では、登りではパワーウェイトレシオの数値が大きい体重50sの人の方が速く登ることができるということです。
ヒルクライムで速さを求めるにはパワーウェイトレシオの管理が欠かせないため、パワーメーターの活用が不可欠です。
トレーニングでの活用方法の一例
パワーメーターでは、疲労度を表す数値であるTSSを算出することができます。
TSSはトレーニングのし過ぎを防いだり、成果を数字で実感することでモチベーションに繋げたりすることに効果的です。
他にもFTP×何%など数値としてのトレーニングができるのでプロも活用するトレーニングメニューをすることもできます。
パワーメーターの選び方|種類・数・レポート
パワーメーター選びで注目すべきポイント
- パワーメーターの種類
- パワーメーターの装着数
- レポートで見れる項目、見やすさ
パワーメーターの種類
パワーメーターは装着方法別に種類があります。
最近の主流でペダル型やクランク型で、比較的安価で種類も豊富です。
レース志向の方やペダルにこだわりのある方は、クランクとチェーンリングの間に挟んで計測できるスパイダー型という選択肢もあります。
商品の特徴や予算から選んでみてください。
- ペダル型
パワーメーターを備えた専用のペダルです。
足で最初に踏み込む部分で計測を行うため精度が高いものが多いです。
ペダルを付け替えるだけなので比較的簡単に着脱でき、複数の車体でパワーメーターを使いまわすこともできます。
好みのクランクを使用したい方やスポーツバイクを複数台持っており使いまわししたい方におすすめです。
ただし、クリートの種類によっては対応していないものもあるためご注意ください。
- クランク型
SHIMANOやパイオニアなどが販売しているクランクアームのひずみを計測してパワーを測るタイプのパワーメーターです。
商品によっては左アームにあとから取り付けができるものなど今ある機材を活用することもできます。
安いものは3万円台からとお手頃に導入できるものもあるので、予算と相談しやすいタイプです。 - スパイダー型
SRMが開発した、クランクとチェーンリングの間に挟み込むことで計測する歴史あるパワーメーターです。
精度が非常に高く、その中でもSRMのものは一時ほとんどのプロチームが使用していたほど精度や耐久性に優れています。
SRMを筆頭に高価なものがほとんどですが、より高みを目指したい方はぜひ検討してみてください。 - ハブ型
ホイールのハブと一体型になったタイプのパワーメーターです。
重量も重く、対応したホイールや車種に限りがあるため今ではほとんど見かけません。
左右バランスなども計測できないので、とりあえずパワーを知りたい方や部活などのローラー用として活用されています。
パワーメーターの装着数
クランク型やセットでないペダル型の場合は、左右どちらかにのみパワーメーターを付けて計測します。
パワーメーター1つでは片足のみの計測になるため、片側の計測値を2倍にして両足の数値として判断します。
それでも十分有益ですが、両側にパワーメーターを付けると、左右のパワーの差やクセなども可視化できるのでより正確な現状把握と修正が可能です。
より精度の高い改善を求めるなら両側にパワーメーターを取り付けることをおすすめします。
レポートで見れる項目、見やすさ
サイクルコンピューターで見られる情報は、各メーカーで大きな差はありません。
しかし取得した情報を専用のアプリやサイト上で集計、解析して見られるレポートはメーカーによって異なります。
項目の充実度やレポートの見やすさ、使いやすさ、情報の蓄積期間などを事前に確認しておくと良いでしょう。
パワーメーターでの計測にはサイクルコンピューターが必要
パワーメーターは計測器のため、計測した数値を使える情報として見るためにはサイクルコンピューターが必要です。
サイクルコンピューターはメーカー独自の機能を表示するためにも、基本的には同じメーカーのものをおすすめします。
ただ、メーカーや商品によって取得できる項目や走行中に見れる数値には大きな差はないため、ブルートゥースやANT+接続に対応したものであれば問題ないでしょう。
実走で使用したい場合はパワーメーターの購入が必須ですが、屋内トレーニングならスマートローラーに計測装置が付いているトレーナーでパワーを測ることは可能です。
ほとんどのスマートトレーナーには計測器がついていますが、稀にそうでないタイプもあるので確認してみてください。
パワーメーターを手掛ける人気メーカー3選
シマノ(SHIMANO)
パワーメーターのパイオニアを買収し、そのノウハウを生かした製品開発を続けているブランドです。 ペダリング時のトルクの大きさと向きというベクトルを見ることができ、ペダリングの向上をサポートしてくれます。
Favero
デザインから製造まで行うスポーツ電子機器メーカーです。
SHIMANO、LOOKのクリートに対応したペダル型パワーメーターを販売しています。
ペダル型パワーメーターでは特にFAVERO ASSIOMAは人気があり比較的安価で手に入れられます。
4iiii
片足計測のパワーメーターが3万円台から導入可能なクランク型パワーメーターのブランドです。
価格以外にも、既存のクランクに後から取り付けができるなどの魅力があります。
おすすめのパワーメーター4選と対応するサイクルコンピューター
対応するサイクルコンピューター
- GARMIN製サイクルコンピューター
- WAHOO製サイクルコンピューター
対応するサイクルコンピューター
対応するサイクルコンピューター
対応するサイクルコンピューター
- GARMIN製サイクルコンピューター
- WAHOO製サイクルコンピューター
パワーメーターの導入で走りをもっと効率的に!
現在旬のトレーニングアイテムはパワーメーターです!
自身の限界を見極めた効率の良いトレーニングや、ロングライド派の方のペース配分の管理でも活躍します。
数値化されることでトレーニングのマンネリ防止やモチベーションアップも期待できるので、もっと走りを磨きたい方はぜひ検討してみてください。
パワーメーターについてのQ&A
- パワーメーターはレース志向の人向けのアイテム?
- パワーメーターは自分の漕ぐ力を計測するアイテムです。計測した結果は効率のいい走り方を身に着けるための指標になるので、より遠くまで走りたいと思うすべてのライダーにとって価値のあるアイテムです。
- スパイダー型パワーメーターの「スパイダー」とは?
- スパイダーとはクランク軸とチェーンリングをつなぐためのパーツを指します。スパイダー型のパワーメーターは値が張りますが計測の精度が高いところが利点です。
- パワーメーターを選ぶ時に確認しなければいけない箇所?
- クランク型やスパイダー型はフレームとクランクとのクリアランスが確保されているか、コンポーネントとチェーンリングに互換性があるかの確認が必要です。ペダル型は今使っているクリートとパワーメーターのクリートが互換性があるかを確認しましょう。
現在クリートの種類に対応しているブランドはSHIMANO、LOOK、WAHOO(SPEEDPLAY)です。
お手持ちのアイテムとの互換性があるか事前に確認しておくと安心ですね。