ジャイアントのマウンテンバイクは街乗り向けから競技用に至るまで10シリーズあります。どれもコスパが良く、初心者・本格派問わず人気です。
この記事ではスポーツバイク専門店のワイズロードがひとつずつ詳しく解説します。これを読めばシリーズそれぞれの特徴やおすすめの用途がわかります。また選び方や他ブランドとの比較もありますので、あなたにぴったりのマウンテンバイクを見つける参考にしてみてください。
目次
ジャイアントは台湾の自転車ブランドです。マウンテンバイクやロードバイクなどあらゆるスポーツバイクを開発・製造しています。
生産工程を合理化することでコストを抑え、高品質な製品を広く普及させるパイオニアです。世界で初めてハイエンドアルミバイクやカーボンバイクを量産し、カーボンフレーム製造のオートメーション化も実現しています。
カーボン繊維からフレームを作り出したりパーツのほとんどを自社で生産したりと他の工場に頼らない体制により、高品質でコストパフォーマンスに優れた製品を作り続けています。
当初は自社での商品開発ではなく、アメリカやヨーロッパなどのスポーツバイクメーカーからパーツなどの製造を依頼されていました。そうして技術を蓄えてきたジャイアントならではの強みです。
マウンテンバイクと一口にいっても街乗り向きから100万円以上もする競技用のものまで幅広い価格帯を取り揃えているのも特徴です。初心者から上級者にまで選ばれています。
サスペンションは地面からの衝撃を抑えて安定性を高め、ライダーの負担を減らします。種類はフロント(前)とリア(後ろ)の2種です。
搭載しているサスペンションによってフレームの形状が異なり、フロントサスペンションのみは「ハードテイル」、フロントとリアどちらも備えているものは「フルサスペンション」と呼ばれます。
ハードテイル | フロントサスペンションのみ![]() |
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フルサスペンション | フロント・リアの両方装備![]() |
整備されていない山道や上下が激しいコースといったより強い衝撃が想定される本格的なモデルにはフルサスペンションが多いです。
街乗りや軽めのオフロードであればリアサスペンションなしのハードテイルを、レースや山道を登る本格的なトレイルを視野に入れるのであれば両方備えたフルサスペンションをおすすめします。
ストロークとはサスペンションの可動範囲のことです。ストロークが長ければ長いほど衝撃吸収力に優れます。特にオフロードでは下りを駆け降りるときに強い衝撃を受けるため、下りに強いモデルはストローク量を長く設定しているのが特徴です。
街乗りなら100mm程度、競技用は用途にあわせて長めをチョイスしてください。
マウンテンバイクの主な競技は山岳地帯の周回コースでタイムを競うエンデュランス(主にクロスカントリー)と、山頂から下に駆け降りるまでのタイムを競うグラビティ(主にダウンヒル)です。クロスカントリーはXC、ダウンヒルはDHと略されます。
ジャイアントのマウンテンバイクでは軽量なアルミとカーボンがフレームに使われています。
アルミは安価で衝撃に強く、カーボンは高価ですが剛性が高く少ない力でスピードが出やすいです。
軽めのオフロードやコスパを重視する場合はアルミ製、タイムを出したい・レースを視野に入れている人はカーボン製を選びましょう。
用途 | 形状 | ストローク長 | フレーム素材 |
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街乗り~軽めのオフロード | ハードテイル | ~140mm | アルミ |
本格的なオフロード | フルサスペンション(激しすぎなければハードテイル) | 150~170mm | アルミ (スピード重視ならカーボン) |
レース | フルサスペンション | 100~200mm 下りメインになるほど長め |
カーボン、軽量アルミ |
電動アシスト付きモデルも含めるとジャイアントのマウンテンバイクは全部で10シリーズです。街乗りからレースモデルまで様々な用途にあわせて幅広く展開されています。用途別にご紹介します。
太いタイヤにサスペンションを備えたマウンテンバイクらしい風貌ですが、通勤通学にも使いやすい街乗り仕様です。必要十分な装備で価格もお手頃なため、初めてのマウンテンバイクとしても人気があります。
フレーム形状 | ハードテイル |
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ストローク長 | 80mm |
フレーム素材 | アルミ |
価格帯 | 79,200円(税込) |
用途 | 街乗り、ダート |
広めのタイヤ幅、油圧式ディスク、幅広いハンドルなどオフロードで揃えたい装備がまとまっています。用途にあわせて街乗りカスタムや本格的なオフロード用へアップグレードもこなせる拡張性がポイントです。
フレーム形状 | ハードテイル |
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ストローク長 | 80~100mm |
フレーム素材 | アルミ |
価格帯 | 91,300~148,500円(税込) |
用途 | 軽めのオフロードコース、街乗り |
自転車で登山道を走ることをトレイルといいます。マウンテンバイクではポピュラーな遊びです。ある程度整備されている常設コースからけもの道のような自然あふれる山道まで多様な路面があります。
里山ライドや軽めのトレイルをしたい方はこちら。近年のマウンテンバイク界のトレンドが詰め込まれています。これからトレイルなどオフロードデビューしたい初心者から上級者まで楽しめる万全な装備です。
フレーム形状 | ハードテイル |
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ストローク長 | 130mm |
フレーム素材 | アルミ |
価格帯 | 198,000~264,000円(税込) |
用途 | 軽めのトレイル、MTBコース |
チューブレスレディタイヤはチューブが不要で、代わりにシーラントという液体を入れます。タイヤの空気圧を低圧にできるため、乗り心地やグリップの向上・軽量化などがメリットです。パンクしにくく、多少のパンクも耐えられるため、路面に障害が多いオフロードを走る際に重宝されます。
様々な路面、さらに上りも下りも対応した活躍フィールドの幅が広いシリーズです。オフロードを遊び尽くすことができます。様々なジャンルに特化したモデルはありますが、一台だけと決めるならこれを選んでおけば間違いありません。
フレーム形状 | フルサスペンション |
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ストローク長 | 150~160mm |
フレーム素材 | カーボン、アルミ |
価格帯 | 451,000~726,000円(税込) |
用途 | 激しいトレイルなどあらゆるオフロード |
スピードを重視する競技に向けた「軽量」「剛性の高さ」がポイントです。そのままクロスカントリーレースに挑戦できるポテンシャルがあり、レース入門車としても選ばれています。
フレーム形状 | ハードテイル |
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ストローク長 | 100mm |
フレーム素材 | カーボン、アルミ |
価格帯 | 209,000~715,000円(税込) |
用途 | クロスカントリーレース |
雑木林を縫うような曲り道や急な上りで激しい悪路など、昨今みられるテクニカルなコースのために作られました。より剛性が高く、表彰台を狙いたい方にもおすすめできます。
フレーム形状 | フルサスペンション |
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ストローク長 | 100~110mm |
フレーム素材 | カーボン |
価格帯 | 770,000~1,045,000円(税込) |
用途 | より上級向けのクロスカントリーレース |
上り下り、スピード・テクニカルなどオフロードレースに求めるすべてに対応できます。トレイルやMTBコースでの”遊び”はもちろん、ジャンルに捕らわれず様々なレースを踏破したい!という方におすすめのシリーズといえます。
フレーム形状 | フルサスペンション |
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ストローク長 | 170mm |
フレーム素材 | カーボン |
価格帯 | 605,000~1,815,000円(税込) |
用途 | オフロードレース全般 |
持てる最新技術をすべて詰め込んだジャイアント最高峰のマウンテンバイクです。下ることに特化しているため、本格的にダウンヒルレースに臨む方向けです。どんな路面や走行スタイルにもあう究極のカスタム性を備えています。
フレーム形状 | フルサスペンション |
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ストローク長 | 203mm |
フレーム素材 | カーボン |
価格帯 | 1,155,000円(税込) |
用途 | ダウンヒルレース |
電動アシストがついたマウンテンバイクの2シリーズです。特に上りは体力勝負ですが、アシスト機能があることでグングン進み、オフロードをより一層楽しく走ることができます。気になる泥や汚れも問題なく、雨の日の走行から洗車まで可能です。
e-mtbを初めて購入する方にもおすすめのモデルです。サスペンションはフロントのみのため軽量で価格も抑えられています。横剛性に強い設定で上りの加速性も良く、オフロードはもちろん舗装路でも活躍できる仕様です。
フレーム形状 | ハードテイル |
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ストローク長 | 120mm |
フレーム素材 | アルミ |
価格帯 | 374,000円(税込) |
前150mm/後140mmのフルサスペンションで激しいトレイルにも対応しています。ペダリングロスが少なくあらゆる衝撃に繊細な動作で応える「MAESTRO SUSPENSION」、ドロッパーシートポストなど本格仕様のため、オフロードを存分に楽しみたい方におすすめです。
フレーム形状 | フルサスペンション |
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ストローク長 | 140mm |
フレーム素材 | カーボン |
価格帯 | 550,000円(税込) |
ジャイアントはネットなどの通信販売は行っておらず、店頭でのみ購入できます。これは商品知識のあるスタッフが正しく組立整備し、対面して提供することで品質を保ち安全に乗り続けてほしいというジャイアントの取り組みの一環です。
【Q&A】GIANTが通信販売をしない理由が奥深かった!!
- ジャイアントストア松江
ワイズロードでは公式通販「ワイズロードオンライン」から店頭への仮予約が可能です。
店舗にてサイズフィッティング、納車説明の上お渡しいたします。
他の人気ブランドの街乗り向けマウンテンバイクの中から、ジャイアント同グレードモデル(ATX&TALON)とスペックが似ているものをあげて比較してみました。
昔からMTBが強いアメリカンブランドCANNONDALEから発売されているTrail6はジャイアントのATXと同等のグレードです。
舗装路もこなせるブロックが小さめのタイヤ、多彩なギア変速数などどちらも街乗りを強く意識したマウンテンバイクで、初心者に向いています。サスペンションなどオフロードも楽しめる機能は備えつつも舗装路での走行も快適です。
強いていえばオフロード寄りの用途もお考えの方はTrail6、「まずは低予算でちゃんとしたマウンテンバイクに乗ってみたい」という方はコスパの良いATXがおすすめです。
ただ、この2モデルは構成が非常に似ています。見た目の好みで選ぶのもよい選択です。
比較表
Trail6![]() |
ATX![]() |
|
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価格 | 90,000円(税込) | 79,200円(税込) |
フレーム形状 | ハードテイル | ハードテイル |
ストローク長 | 100mm | 80mm |
フレーム素材 | アルミ | アルミ |
アメリカの大手総合自転車ブランドTREKのMarlin 6 Gen 3はジャイアント「TALON 2」と構成が似ています。初めてトレイルを走りたい方や、ゆくゆく本格的なオフロードに挑戦したい方に向けたグレードです。
どちらもギア比が軽いため舗装路でのスピード走行は向いていませんが、通勤通学に便利なキャリアや泥除けなどの取り付けがしやすく、街乗りにも使いやすいです。
また上り下りが激しいオフロードで活躍するドロッパーシートポストへのアップグレードも望めるなど本格的なオフロードカスタムも可能です。
同じような構成ですが、価格はジャイアントに軍配が上がります。
構成を細かく見るとMarlin6がより本格オフロード向け、TALON 2はギア変速数が多いなど街乗り向けといえるでしょう。マウンテンバイクコースや山の中に入りたい方はMarlin 6 Gen 3、街乗り頻度が多くてオフロードも楽しみたい方や価格を抑えたい場合はTALON 2がおすすめです。
比較表
Marlin 6 Gen 3![]() |
ATX![]() |
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---|---|---|
価格 | 107,800円(税込) | 91,300円(税込) |
フレーム形状 | ハードテイル | ハードテイル |
ストローク長 | 100mm | 80mm |
フレーム素材 | アルミ | アルミ |
ジャイアントはコスパが良く、入門車として選ばれる所以でもあります。レースに特化した本格的なモデルも多数展開し、これから始めるビギナーからグレードアップを求める上級者にも人気のブランドです。
ラインナップ数が多く一見わかりにくいですが、それぞれ搭載パーツや機能によって適した用途が異なります。購入後の楽しみ方を想像して、挑戦したいもの・やりたいことをかなえる一台を選びましょう。