
TTバイクのおすすめ2選|トライアスロンバイクとの違いも解説
TTバイクは平坦なコースでの高速巡航に特化したスポーツバイクです。エアロダイナミクスに優れ、主にタイムトライアルレースやトライアスロン用として人気があります。
この記事ではTTバイクの特徴からTTバイクとトライアスロンバイクの違い、さらにおすすめのTTバイクまでしっかり解説します。
TTバイクが欲しい方やTTバイクとトライアスロンバイクで迷っている方はぜひ読んでみてください。
目次
TTバイクの特徴
TTバイクは短い距離を全力で駆け抜けるタイムトライアルレース向けのスポーツバイクです。
TTバイクはエアロダイナミクスに優れ、高速域での巡航速度維持が得意
単独走行が多く風の影響を受けやすいタイムトライアルレースに対応するため、TTバイクは何よりエアロダイナミクスを追求しています。フレームの形や構造は各メーカーにより様々ですが、前面からの空気抵抗を減らすために厚みを薄くした板状のようなフレームが多いです。

さらにDHバーやディープリム/ディスクホイールなどエアロ効果の高いパーツを採用しています。
▼TTバイクによく採用されるパーツ
DH(ダウンヒル)バー |
![]() 深い前傾姿勢で空気抵抗を抑える「DHポジション」を支えるハンドル。 |
---|---|
ディープリム | ![]() リムハイト(リムの高さ)が高いホイール。エアロ効果のほかに高剛性で力のロスが少なさが魅力。 |
ディスクホイール | ![]() スポーク部分が円盤状になっているホイール。走行時に空気を巻き込まないため速度維持が得意。 |
UCI(国際自転車競技連合)規定に則ったフレーム設計
TTバイクは公式のタイムトライアルレースで定められているUCI規定に収まるようフレームが設計されています。
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UCI規定では車体の寸法から重量、取り付け可能なパーツまで細かにルールが設定されています。UCI規定下のレースでは規定外のバイクだと出場できません。
- TTバイクのおすすめはこちら
TTバイクは街乗りには不向き
TTバイクは重量が重く、快適性度外視で速さに特化しているため街乗りやロングライドにはあまり向いていません。
TTバイクが街乗りに向かない理由
- 車体重量があり漕ぎ出しや登り坂が重い
- レースに特化しているため一般的なロードバイクに比べて乗り心地は劣る
- カーブなど小回りが利きにくいポジション、フレーム構造
- DHポジションだととっさにブレーキが切れない
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TTバイクの性能は最初から最後までDHポジションを保ちノンストップで駆け抜けることができるコースにおいて最大限に発揮されます。
とはいえ街乗りが禁止されているわけではない
TTバイクは街乗りに向いてはいませんが、ルールを守ればどこを走ってもどんな走り方をしても問題ありません。欠点を理解して様々な場面で乗りこなしてみるのもよいでしょう。
TTバイクとトライアスロンバイクは得意な用途が違う
どちらもDHバーを備えたエアロ性能の高いスポーツバイクですが、それぞれ得意な用途や乗り心地などが異なります。
TTバイクは快適性・利便性を排除してエアロダイナミクスを追求した短距離のスピード重視、トライアスロンバイクはエアロダイナミクスを考慮しつつ長距離ライドも対応できる快適性の高さを兼ね備えているのが特徴です。
TTバイクとトライアスロンバイクの主な違い
TTバイク | トライアスロンバイク | |
---|---|---|
得意な用途 | 短距離を全力で走る | 比較的長距離を体力温存して走る |
乗り心地 | 高剛性で硬め | 剛性は控えめで乗り心地が良い |
ハンドルの高さ | 低め =前傾姿勢が深い(エアロ性能重視) |
高め =前傾姿勢が浅い(快適性も考慮) |
フレーム設計 | UCI規定内 | 自由 |
TTバイク=トライアスロンバイクと呼ばれることもある
メーカーによっては、TTバイクを「乗車時の前傾姿勢を強くしてTTバイクとしても使用できるトライアスロンバイク」と捉え、TTバイクとトライアスロンバイクを厳密に区別しない場合があります。
これはTTバイクのトレンドとしてDHバーの高さ調整機能やストレージ機能を備えるなどトライアスロン、タイムトライアルのどちらにも対応できるモデルが多いためです。
TTバイクとトライアスロンバイクは走りの好みで選ぼう
UCI規定下のタイムトライアルレースに出場する場合はTTバイクに限定されますが、トライアスロンなど規定がないレースに出たりプライベートで使用したりする場合は走りの好みで選ぶのがおすすめです。
TTバイクは重量・乗り心地の良さを度外視した空力効果を求める方、トライアスロンバイクは長距離でのパフォーマンスを高めたい方のほか快適性や機能性も求める場合に適しています。
TTバイクを選ぶ時のポイント
出場したい大会がある場合は規定をチェック
大会によってUCI規定のほか、使用機材についてルールが制定されています。出場したい大会がある場合は規定を確認して条件を満たすTTバイクを選びましょう。
特にDHバーの有無に関する規定がある場合が多いので、イベントやレース参加時には事前の確認が必要です。
トライアスロンに使うならポジション調節機能とストレージ機能付モデルを選ぼう
TTバイクをトライアスロンで使いたい場合は、長距離でも疲れにくいポジションが取れるかと補給食などを備えるストレージ機能があるかを確認しましょう。
単に「TTバイク」と呼ばれる場合は短距離に特化していてトライアスロンでは使いにくい場合もあります。
コースに応じてホイールを選ぶ
ホイール選びもレースの攻略に影響します。参加したいレースのコースにあわせたホイールをチョイスするとパフォーマンスを出しやすいです。
平坦基調のコースでは、空力に優れたバトンホイールやディスクホイールが有効です。カーブやアップダウンが多いコースでは、相対的に軽量なディープリムホイールをおすすめします。
サイズ選びは走り方にあわせて選ぶ
身体にあうのはもちろん、レースにあわせて「どのようなパフォーマンスを出したいか」から逆算して理想のポジションを保てるサイズを選ぶ必要があります。たとえばタイムトライアルレースで使うなら短距離を最大心拍数で駆け抜けるため、最大パワーを高効率で伝達できるポジションで走れるサイズが適切です。
適切なポジションは大まかに傾向があるものの手足の長さや走り方によっても異なります。パフォーマンスを求めるならプロショップなどでのフィッティングがおすすめです。
日本最大級のスポーツサイクル専門店
ワイズロードではTTバイクやトライアスロンバイクでの適切なポジションがわかるフィッティングサービス「バイオレーサーエアロ」をご用意しています
- 人気ブランドからプロ御用達モデルまで国内随一の品揃え
- 適正サイズがわかる!購入前フィッティングサービスあり
- アウトレットなどのお買い得品やセールも随時開催
- 公式通販なら配送受取のほか、送料無料の店舗受取も選べます
人気のTTバイクブランドとおすすめシリーズ6選
CERVELO(サーベロ)|P5
CERVELO(サーベロ)

ツール・ド・フランス総合優勝をアシストした実績のあるTTバイクです。登坂性能も高いPシリーズは、本気でタイムトライアルに打ち込みたいアスリートにオススメです。
CEEPO(シーポ)|KATANA-R
CEEPO(シーポ)
トライアスロンバイクに重きを置く日本のブランドです。ロードジオメトリーや様々なコースに対応するモデルをラインナップしています。
【TTバイク・トライアスロンバイク強化店】ワイズロードお茶の水エアロロード・トライアスロン館ならCEEPOのお取り扱いあります

Ceepoのラインナップの中で一番人気のモデルです。巡航性能と登坂性能を併せ持つ仕様で、様々なコースに対応します。専用ハンドルは使用せず、シンプル構造で遠征時のバイクパッキングにも難がなく、メカニックトラブルのリスクも少ないのが魅力です。
TREK(トレック)|Speed Concept
TREK(トレック)
アメリカの大手スポーツバイクブランド。トレックのTTバイクは驚異的な速さとシームレスな一体化機能を持つフレーム設計が強みです。フレームとフォークには、常識を覆すエアロダイナミック形状のカムテールバーチャルフォイル(KVF)デザインを採用しています。

ポジションセッティングを容易にするオリジナルのコックピットは堅牢で、ストイックな雰囲気がライダーをやる気にさせてくれます。
BMC(ビーエムシー)|Timemachine
BMC(ビーエムシー)
レーシングバイクを主に展開するスイスのスポーツバイクブランドです。
TTバイクではBMC独自のp2p(Position-to-Perform)設計コンセプトにより、幅広いライディングポジションの設定ができます。またBMCならではのデュアルマウントシートポストが魅力です。トライアスロン向けの前乗りポジションとUCI規定を守りながら後ろ乗りポジションを実現しています。

ディスクブレーキ搭載に呼応して生まれたヒンジフォークデザイン、空力性能を極限まで高めたコックピット、そして究極域のインテグレーション化を施し、BMC史上最大のエアロダイナミクスを獲得しています。
ORBEA(オルベア)|ORDU
ORBEA(オルベア)
スペイン創業のスポーツバイクブランドです。空力、剛性、重量のバランスで最適解を導き出すというオリジナルのコンセプトがORBEAトライアスロン/TTバイクの強みであり、その独自性に磨きをかけています。

軽量性に加えて、コックピット周りのポジションの自由度の高さが特長といえます。アップチャージなしでカラーオーダーができるのも嬉しいポイントです。
BRIDGESTONE/ANCHOR(ブリヂストン/アンカー)|RT9
BRIDGESTONE/ANCHOR(ブリヂストン/アンカー)
ANCHOR(アンカー)は日本を代表する自転車ブランド「ブリヂストン」が展開するスポーツバイクブランドです。フォーク、ダウンチューブ、チェーンステーすべての部位における高剛性化/低重心化により、高速での安定した走りを実現しています。

チェーンステーを左右非対称形状としてチェーン側の剛性をより高くし、確実な駆動力を獲得。シフトは電動変速のみに対応し、バッテリーはBB下からフレームに内蔵する構造で低重心化にさらに貢献しています。
最速はこれだ!TTバイクのおすすめ2選
まとめ|TTバイクで駆け抜けよう
TTバイクは単独でとにかく速く走るために設計されていますが、なんといっても見た目が最高にカッコ良いのも魅力です。自分が乗りたくなる一台を見つけてタイムトライアルやトライアスロンにぜひ挑戦してみてください。
TTバイクのよくあるQ&A
- TTバイクの価格はどのぐらい?
- TTバイクは完成車だと100〜150万円前後、フレームセットは50〜70万円前後が主流です。レースには必須ともいえるディスクブレーキと電動コンポーネントのほか、TTバイクならではのカーボンディープリム/ディスクホイールを搭載するなど性能が高いモデルがラインナップされています。
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フレームセットの購入はパーツを一から組み上げるため完成車で買うよりも価格はあがりますが、自分好みの一台ができるためパフォーマンスをより高めたい上級者に人気です。
本稿執筆担当者は、長年トライアスロンバイク/バトンホイール/ディスクホイール仕様にバックパックで通勤しておりますし、ちょい乗りやヒルクライムまでこなしています!