登りでいちばん軽いギアを使っているのに重くて踏めない、もしくは、走るのにちょうど良いギア比が無くて気持ちよく走れないといったお悩みはありませんか。
もしかしたらあなたの走り方や筋力とギア比率が合っていないのかもしれません。
もちろん筋力アップやトレーニングによって解決できることもありますが、まずはスプロケットを見直してみませんか?
スプロケットとは、リアの変速ギアのセットを指します。標準的なグレードでも1万円以下と比較的安価で、工具さえあれば自宅でも交換が可能なので、バイクカスタムの第一歩としてもおすすめです。
スプロケットを変えてみよう
ほとんどのロードバイクでは、フロント(クランク)に2段、リア(後輪)に9~12段のギアが装着されています。
前後のギアに付いている歯の山の数を「歯数」と呼び、「11-34T」といったように表記されています。

「ギアを軽くすると軽い力でペダルを回せる」というのはみなさんご存知かと思いますが、ギアが軽い=ギアが大きい(歯数が多い)ということ。一番大きいギアを使ってもペダルが重く感じるのであれば、スプロケット自体を交換することで、より軽い力で回せるギアを使えるようになります。
ご使用中のギアサイズの確認方法
ギアのサイズは歯の数を数えて確認することもできますが、スプロケットの表面に刻まれている数字で判断することができます。

完成車購入時から交換をしていない場合は、商品ページの「仕様」の「Sprocket」「スプロケット」の項目を参照してください。
メーカー表記に従っているため項目名にバラツキがあります。
また、交換の際には歯の枚数(変速段数)を間違えないようご確認ください。
ギアの選び方
交換を検討する際はスプロケットの一番大きい歯数を目安にします。シマノ12速の場合なら、下図のような歯数から選べます。

小さめのギアが向いている人 |
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大きめのギアが向いている人 |
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数字が大きい方が軽い負荷でくるくるとペダルを回せますが、進みは遅くなるので大きければいいという訳ではありません。
また、大きい歯の歯数が違っていても、小さい歯の歯数はどのモデルでもほとんど一緒です。
ギア比*の変化を粗くすることでギア比の範囲を広げているので、「ちょうどぴったりのギアがない」といった弱点もあります。
フロントのチェーンリング歯数とリアのスプロケット歯数の比率
今より大きいギアに変更するケース
元のギア比が身体に合っていない場合、自分の出せる力を超える坂は登れません。これを軽いギア比にすることで負荷が減り、登れなかった坂もこなせるようになるかも?
ただし進む速度も下がるので、同じ坂を登るためにはより多くペダルを回す必要があります。
今より小さいギアより変更するケース
軽いギアは負荷を減らし、登りを楽にしてくれますが、一方で隣り合うギア同士のギア比の差がおおざっぱになってしまいます。
たとえば17Tのギアの隣が19Tの場合、17Tでは重すぎ、19Tでは軽すぎるという場合にフォローができません。
ギア比が重めのスプロケットは1枚1枚のギアの歯数差が少ないので、速度が変わっても「ちょうど良いギア比」を確保することができます。
交換の方法は?
スプロケットはロックリングという先端部分にあるリングを着脱して交換します。
詳しい手順は動画をご確認ください。
慣れてしまえば5分程度で出来ちゃいますよ!
あらかじめ工具とスプロケットを用意しておけば、
- 登りの多い地域に行く際やヒルクライムイベントに出場する際は大きいギアに交換する
- 普段使いや平地のレースに出場する際には小さめのギアに交換する
など、走る目的によって交換することもできます。
もちろん、ワイズロードの店舗でも作業をお受付いたします。
ワイズロードで買った車体とスプロケットを交換するときは、¥1,100(税込)でお承りしております。
互換性をチェックしよう
これまでの歯数と異なるスプロケットを装着する場合、後ろの変速機(リアディレイラー)の型番ごとに使える歯数が決まっています。
また、チェーンの調整が必要になるケースがあります。
大きい歯数に変更…チェーンを長くする(交換)
小さい歯数に変更…チェーンを短く調整する
長さの決め方はこちらの記事も参考にしてください。
スプロケット交換に必要な道具2つ
スプロケット交換にはロックリングを回す工具「ロックリング締め付け工具」と、外す際にスプロケットが空転しないようおさえるための工具「スプロケットリムーバー」が必要です。
工具はスプロケットのメーカーや型番ごとに異なりますので、ご自身のスプロケットと照らし合わせて対応しているものをご用意ください。