
ロードレースとは?ルールや見どころを解説
ロードレースは舗装された道で行われる自転車競技です。
「ツール・ド・フランス」などのプロレースを見始めたり、ロードバイクに乗っていてレースに興味を持ち始めるとロードレースのルールが気になりますよね。
この記事ではロードレースのルールや見どころのほか、参加してみたい方に向けた初心者におすすめのレースもご紹介します。
ロードレースを観戦する方だけでなく、これから参加する方も必見です。
目次
ロードレースとは一般道でおこなわれる自転車競技

ロードレースは舗装された路面の上でおこなう自転車競技です。
主に一般道を使用し、コースの起伏や路面状態、天候など様々な外的要因に左右されつつゴールの順位や走行タイムを競います。コースは数kmから100kmを超えるものまで様々です。
基本は個人競技のスポーツですがチームで参加し特定の選手を勝たせるためにサポートする事もあり、団体競技としての側面も持ち合わせています。
ロードレースの種目|ルールや特徴を解説
ロードレースでは様々な種目があります。主な6種目のルールと特徴を解説します。
ロードレース6種目
- ステージレース
- ワンデーレース
- クリテリウムレース
- ヒルクライムレース
- エンデューロ(エンデュランス)レース
- タイムトライアル
ステージレースの特徴
数日から最大3週間ほぼ毎日レースを行い、総合優勝、日々のステージ優勝、他様々な賞の獲得を目指すレースです。チームや選手により目指す賞が異なるために様々な駆け引きが発生し、複雑なレース展開を楽しむ事ができます。
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大会規模が非常に大きくなる為アマチュア向けに開催される事は基本ありません。ツール・ド・フランスやジロ・デ・イタリア、日本国内ではツアーオブジャパンなどプロスポーツで行われる形式です。
ワンデーレースの特徴
1日で競いあうレースのことで、基本的に周回ではなくラインレースであることが特徴です。一発勝負でハードなレース展開になりやすく選手の実力差が大きく出るため、王者を決める世界選手権や各国の選手権大会はこの形式で行われます。
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日本では毎年10月に開催されるジャパンカップサイクルロードレースや市民レースのツール・ド・おきなわがワンデーレースとして有名です。
クリテリウムレースの特徴
クリテウムレースのルール
- 1周1km~5km程度の距離を周回して競う
- 30分~2時間ほどで決着がつく短時間のレース
- 主に市街地や公園など限られたエリアで行われる
コーナーを曲がる回数が多く、加減速が発生しやすいため一度集団から離れると追いかけての復帰が困難なほどスピード感のあるレースが展開されます。アマチュア向けのレースでよく採用され、初心者でも挑戦しやすいレースが多いです。
ヒルクライムレースの特徴
ヒルクライムレースのルール
- コースは登り坂だけ
- 坂の下から駆け上がり、ゴールまでのタイムを競う
- スタートは全員一斉ではなくカテゴリごとに順次スタートし、計測タイムで順位が決定
アマチュア向けに全国で多くの大会が開催されています。最大規模の大会では参加者が1万人を超える事もあるほど非常に人気が高い種目です。
エンデューロ(エンデュランス)レースの特徴
エンデューロ(エンデュランス)レースのルール
- 周回コースのサーキットで行われる
- 制限時間内に何周出来るかを競い合う耐久レース
- 基本チーム単位で参加し1人ずつ交代で走りながら周回数を競う
競技時間が長く、道幅が広く勾配の緩急の少ない走りやすいフラットなコースが特徴です。主にアマチュア向けの競技として開催されています。
タイムトライアルの特徴
タイムトライアルのルール
- 数キロの短いコースで競い10分~30分で勝敗が決まる短期決戦のレース
- ひとりずつ時間差でスタート
- 基本は単独で走る個人競技だが、チーム単位で走りタイムを競い合うチームタイムトライアルもある
通称TTと呼ばれ、単独走が多く風の攻略が勝敗を分けます。通常は「タイムトライアルバイク」という空力性能に秀でた専用のスポーツバイクを使用しますが、山岳を交えたコースやルールによってはロードバイクを使用する場合もあります。
有名なロードレースの見どころ解説
世界最大のツール・ド・フランスやジロ・デ・イタリアなど、有名な大会の見どころを解説します。
1.ツール・ド・フランス
1903年から続くサイクルロードレースの最高峰にして世界最大のステージレース。ゴールのパリ・シャンゼリゼを目指して3週間かけ全長約3,400km、全21ステージで競い合います。FIFAワールドカップ・オリンピックと並ぶ世界三大スポーツの1つとして数えられ、全世界で放映されるビッグイベントです。
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▶【解説】ツール・ド・フランスの見どころ
総合タイム1位が着用する黄色い総合優勝ジャージ『マイヨ・ジョーヌ』の獲得を目指しながら、各ステージの優勝を競い合います。また区間に設定されたポイントを獲得する事で着用できる水玉柄の山岳賞ジャージ『マイヨ・アポワ』などあらゆる賞があり、各選手・チームが獲得を狙い様々な思惑が交差し、時に予想だにしないレースが展開されていきます。前大会王者の連覇か、新たな王者の誕生か、最後まで気が抜けない手に汗握るレースは一見の価値ありです。
▶ツール・ド・フランスの情報|日程、公式サイト
開催日程 | 毎年6月下旬から7月中旬 |
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レースジャンル | ステージレース |
主催 | ASO, Amaury Sport Organisation |
公式サイト | https://www.letour.fr/en |
2.ジロ・デ・イタリア
ツール・ド・フランスと並ぶ三大グランツールの1つであり、3週間かけてイタリアを駆け巡るステージレース。映し出されるイタリアの美しい景色とは裏腹に、勾配の厳しい山岳ステージが主体のコース設定となっており最も過酷なレースとも呼ばれています。総合優勝者にはジロ・デ・イタリアを象徴する金色に輝く螺旋のトロフィー『トロフェオ・センツァ・フィーネ』が与えられます。
▶【解説】ジロ・デ・イタリアの見どころ
総合タイム1位が着用するピンクの総合優勝ジャージ『マリア・ローザ』の獲得を目指し競い合います。シクラメン色のポイント賞ジャージ『マリア・チクラミーノ』、青色の山岳賞ジャージ『マリア・アッズーラ』など様々な賞が設定されておりレースを盛り上げてくれます。総合優勝ジャージと同じ鮮やかなピンク色が大会のトレードカラーで映像は非常に華やかですが、5月初旬の山岳コースには未だ雪が多く残り、悪天候になることもしばしば。グランツール初戦にして過酷なレース展開が選手達を待ち受けています。
▶ジロ・デ・イタリアの情報|日程、公式サイト
開催日程 | 毎年5月上旬から5月下旬 |
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レースジャンル | ステージレース |
主催 | La Gazzetta dello Sport |
公式サイト | https://www.giroditalia.it/ |
3.ジャパンカップサイクルロードレース
栃木県宇都宮市で開催されるアジア最高位のワンデーロードレース。世界で活躍するトッププロ選手が来日し日本のサイクルロードレースファンが数万人観戦に訪れるビッグイベントです。急勾配が続く古賀志林道を周回する過酷なコース設定となっており、完走率が低いサバイバルレースになる年も珍しくありませんが何度も選手達が周ってくる為、観戦しやすくスタートからゴールまで楽しむ事が出来ます。生で本場レベルのレースが見れる数少ないチャンス、現地に訪れる価値は大いにあり!
▶【解説】ジャパンカップサイクルロードレースの見どころ
世界の第一線で活躍するトッププロ選手達の走りに日本勢が食い込む事が出来るのか、日本で開催されながら日本のサイクルロードレースが世界レベルに通用するか挑戦するレースでもあります。優勝を狙い繰り広げられる駆け引きや、数回設定されている山岳賞の獲得を目指し急勾配を高速で駆け上がる選手達のクライミングは圧巻の一言。また本選の前日にはエキシビションレースとしてクリテリウムが宇都宮駅まで開催され、サイクルロードレースの街『宇都宮』を象徴とするイベントとなっています。
▶ジャパンカップサイクルロードレースの情報|日程、公式サイト
開催日程 | 10月中旬 |
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レースジャンル | ワンデーレース |
主催 | 宇都宮市 |
公式サイト | https://www.japancup.gr.jp/ |
参加してみよう!ロードレース初心者におすすめの種目とレース
ロードレースはプロや上級者向け以外に、初心者でも参加しやすい大会が随時開催されています。
これからロードレースに挑戦してみたい方に向けて、初心者におすすめの種目やレースをまとめました。
初めてならヒルクライムかエンデューロがおすすめ
ロードレースの中でも初心者におすすめの種目がヒルクライムとエンデューロです。
初心者におすすめ①ヒルクライム
周囲の速さに合わせる必要はなくマイペースで走りやすいです。坂を登り続けますがその分スピードが緩やかな為、落車する危険性が低く安心して参加できます。
初心者におすすめ②エンデューロ
平坦の周回コースで周回数を競います。ある程度集団走行を行う必要はありますがグループ参加が基本の為、疲れてきたらメンバーと交代をしながら走る事ができます。
初心者向けロードレース3選
実際に開催されているロードレースのうち、初心者でも楽しみやすいレース3つを厳選しました。
初心者向けロードレース3選
- シマノ鈴鹿
- Mt.富士ヒルクライム
- もてぎエンデューロ
初心者向け大会①シマノ鈴鹿
鈴鹿サーキットで行われる市民レースの一大イベント。
レースは実力ごとにカテゴリー分けされており、初めて参加する初心者の為に講習会とコースを1周走る体験レースも行っています。毎年様々なブランドが出展しており、イベントブースを見て周るだけでも楽しめ、ロードレースの面白さを一日で知ることが出来ます。
開催期間 | 毎年8月 |
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レースジャンル | クリテリウム |
開催地 | 三重県 |
公式サイト | https://suzukaroad.shimano.com/index.html |
初心者向け大会②Mt.富士ヒルクライム
参加者1万人を超える年もある富士スバルラインで開催される日本最大級のヒルクライムレース。
平均勾配5.2%とやや緩やかなコース設定ですが全長約24kmと国内最長クラスの距離を誇ります。完走タイムに応じたカラーのフィニッシャーリングが後日送られ、去年の自分を超える為に毎年参加するリピーターが多いヒルクライムの一大イベントです。
開催期間 | 毎年6月上旬 |
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レースジャンル | ヒルクライム |
開催地 | 山梨県 |
公式サイト | https://www.fujihc.jp/ |

道幅は広く路面が綺麗で非常に走りやすいです。登り坂なので過酷さはありますが気持ちよく登れるコースとなっており標高2300mに位置する富士5合目のゴールへと辿り着いた時の達成感は格別!ロードバイクを愛するサイクリストなら一度は参加しておきたいイベントです。
初心者向け大会③もてぎエンデューロ
国際的なサーキット『モビリティリゾートもてぎ』で開催されます。
広々としたサーキットをロードバイクで走る体験は格別!公式では『速さや勝負を競う競技ではなく、楽しんだもの勝ち』を謳っており、チーム単位で参加して交代しながら走って応援したりされたりとお祭り感覚でわいわい楽しめます。
開催期間 | 毎年11月 |
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レースジャンル | エンデューロ |
開催地 | 栃木県 |
公式サイト | https://motegi7h.jp/aki/ |

自転車仲間を集めて気軽に参加が出来るので初心者チームも大歓迎なイベントです。テントブースでは道具を持ち込んでバーベキューを行ってもOK!走ってる時間も待ってる時間も楽しく過ごせるイベントです。
ロードレース参戦に向けて知っておきたいポイント
ロードレースに挑戦するなら知っておきたいロードバイク選びのポイントやカスタムのコツなどを解説します。
ロードレースに出るためのロードバイクの選び方
これからレース用のロードバイクを選ぶ場合はレースやコースにあうジャンルを加味しながら身体的特徴にマッチする乗りやすいサイズを選べるかをポイントに見ておくとよいでしょう。
▶ロードバイクのジャンルをレースにあわせて選ぶ
ロードバイクと一口にいってもエアロロードやエンデュランスロードなど様々なジャンルがあります。挑戦したいレースやコースにあわせてジャンルを選びましょう。
▼ロードバイクのジャンル
エアロロード | オールラウンダー | エンデュランスロード | |
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特徴 | 空力に優れ平坦で速い | 軽量で登りに有利 | 悪路での快適性に優れ 体力を温存しやすい |
おすすめ | 平坦がメインのレース | オールマイティに挑戦したい方 | 荒れた路面でのレース |
▶サイズはフィッティングして選ぼう
サイズ選びはプロショップなどでフィッティングするのがおすすめです。サイズがあわないとパフォーマンスが出せず無理な姿勢で痛みが出てしまうこともあり、普段使いよりも一層サイズ感が重要になります。
サイズはメーカーによりさまざまです。また身長と手足の長さだけでなく乗車姿勢などによっても異なります。レースを視野に入れていることを伝えてサイズやポジションを相談してみましょう。

ロードバイクの素材の違いやジャンルについてはこちらの記事もチェック!
▶【専門店が厳選】おすすめのロードバイク10選|種類や人気メーカーもご紹介|ワイズロードオンライン
ロードレース用にカスタムするなら初めにホイールとタイヤをチェック!
ロードレースでより高い結果を目指す場合、カスタマイズの優先度はタイヤとホイールが最優先です。レース形式によって最適な機材は異なりますが、ホイールとタイヤがタイムや順位に与える影響は決して小さくありません。
軽量化、性能などどのように走りたいかを想像して最適なものを選びましょう。
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逆にコンポーネントのカスタムは自身が扱える範囲、不満を感じない程度のギア構成になっているのであれば後に回しましょう。ホイール・タイヤほど影響が大きくありません。
ヘルメットにも規定あり!JCF公認モデルを選ぼう
レースでは日本自転車競技連盟『JCF』が公認するヘルメットの着用が義務付けられることが多いです。
JCF公認のヘルメットにはJCFシールが貼られています。

JCFシールには緑と白の2種類がありますが、日本国内のJCF公認サイクルイベントで許可されるのは白のみです。様々なイベントに挑戦したい方は参考に選びましょう。
公認ヘルメットの一覧はJCF公式サイトで確認する事ができます。
JCF公式サイトはこちら >
事前準備も大事
初めて参戦する場合はゼッケンプレートやリペアパーツなど必要なアイテムを新たに揃える必要があります。またレースに向けてロードバイクの調整をおこなうなど当日に力が出しきれるよう、しっかり用意しておきましょう。
▼エントリーから当日までの流れや必須アイテムについてはこちらの記事をチェック
ロードレースにおすすめのロードバイク10選
初めてのロードレースにおすすめのロードバイク5選
中級者以上、表彰台を狙う人におすすめのロードバイク5選
ロードレースカスタムにおすすめのアイテム4選
初心者におすすめのカスタムアイテム3選
上級者におすすめのカスタムアイテム1選

カスタムはお使いのロードバイクとの相性も重要です。上記も参考に、自分にあったカスタムアイテム見つけてみてください。
矢崎
▼タイヤの選び方はこちらもチェック
▼ホイールの選び方はこちらもチェック
ロードレースにおすすめのヘルメット3選
ロードレースのトレーニングにおすすめのアイテム2選
まとめ|ロードレースを楽しもう!
ロードレースは熱い戦いを観戦するのはもちろん、ロードバイクがあれば気軽に参加できるのも魅力です。
スピード勝負で表彰台を狙うばかりでなく完走を目指したり自分の記録を伸ばしたりと初心者でも楽しめます。一度出てみると奥が深くハマってしまう方も多いです。気になる方はぜひ挑戦してみてください。
ロードレースのよくあるQ&A
- ロードレースはロードバイクでしか出場できない?
- ロードレースと呼ばれる場合、基本的に「使用機材はロードバイクのみ」と大会規定で決まっていることが多いです。ただイベント要素が強い大会だとロードバイク以外の車種でも参加できるものもあります。ロードバイク以外で参戦したい場合は大会規定を確認してみましょう。
- ロードレースのトレーニングはどのようなもの?
- 持久系のスポーツなので心肺機能を向上するようなトレーニングが有用です。基本は自転車に乗っておこないますが、体幹の筋力も重要なため別途体幹トレーニングをしている選手もいます。競技上位を目指す場合は、集団走行時のペースの上げ下げについていける能力や、スパートをかける瞬発力も必要になるため実際に様々なレースに挑戦することも一つです。
- ロードレースで人気のロードバイクメーカーは?
- PINARELLO(ピナレロ)、TREK(トレック)、CANNONDALE(キャノンデール)が人気です。どのメーカーもプロ仕様のハイエンドだけでなくロードレース初心者も楽しめるエントリーグレードのレーシングバイクを展開しています。
大きな大会ですが参加の敷居が低く、ロードレース初心者を大切にしているイベントです。レースに参加しながらより速い人たちの走りを見る事で学べる事も多くあり、サイクルロードレースの世界に踏み込む第一歩に最適です。