ロードバイクやクロスバイクなどスポーツ自転車の走行を快適にしてくれるサイクルウェアですが、ピッタリしたスポーティなスタイルのものが多く、初めて着るには密着感やデザインが少し気になりますよね。
この記事ではカジュアルなウェアや小物のほか、初めて買う方でも挑戦しやすいおすすめのサイクルウェアを紹介します。
また季節ごとの服装や人気のブランドなどもまとめました。
サイクルウェアに挑戦してみたい方はぜひ参考にしてみてください。
目次
サイクルウェアは自転車に乗った時の快適性を一番に考えた服で、ロードバイクやクロスバイクでよくある痛みやケガの防止、寒さ暑さ対策など様々な悩みを解決できる優れものです。
ぴっちりしたスポーツライド向けのものだけでなくカジュアルなものや普段の服装にプラスして使えるアイテムもあり、街乗りやサイクリングでも便利です。気軽に挑戦してみましょう。
スポーツバイクに乗るときに必須のサイクルウェアを紹介します。街乗りからレースまで運動強度にかかわらず安全のために用意しておきましょう。
衝撃吸収ジェル付きで手の痛み防止、さらに転倒時のけが防止の役割もあります。指切りグローブとフルフィンガータイプの2種類あるので、季節などによって使い分けましょう。
指切りグローブ | フルフィンガー | |
---|---|---|
おすすめの季節 | 春夏 | 秋冬 |
特徴 | 汗でのハンドルを握った時の滑りを軽減 | 保温性や防風を重視 |
パッドの厚みも様々です。手に痺れや疲労感を感じやすい方やロングライドを楽しむなら厚みにもこだわってみましょう。
汗を素早く吸収・発散する素材でできたスポーツ用の肌着です。ロードバイクなどスポーツバイクでは必須の汗冷え※対策として運動強度にかかわらず着用するのをおすすめします。
夏用は吸汗速乾性に特化し、秋冬用は保温機能や発熱機能など季節にあわせたものが展開されています。
汗冷えとは…汗をかくと肌が濡れて冷え、体力を消耗したり体調を崩したりすること。さらに長時間放置していると低体温症を引き起こすこともあり危険です。
初めてのサイクルウェアとして使いやすいアイテムを紹介します。
▶トップス・アウター
▶ボトムス(インナー)
▶小物
「初心者向け」というわけではなくレースに挑戦する上級者でも用途などにあわせて着用できます
インナーの上に着るトップスと上に羽織るアウターで、初めてでも使いやすく重宝するアイテムを紹介します。
インナーとあわせて着用する基本のトップスです。伸縮性が高い素材+吸水速乾は標準装備で、春〜初秋は半袖、晩秋〜冬は裏起毛や防風素材がついた長袖が展開されています。
初めてなら普段着に近いゆったりしたシルエットの「カジュアルフィット」や「レギュラーフィット」から挑戦してみましょう。
▼サイクルジャージのフィット感は3つ!好みで選ぼう
カジュアルフィット | レギュラーフィット | レースフィット | |
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着用イメージ | |||
着心地 | ゆったりめ | ぴったりしているが多少の余裕がある | 体に張り付くような密着感 |
特徴 | 普段着に近く、ピッタリな着用感に 抵抗がある方でも着やすい |
「基本」の要点をおさえたスタイルで、 サイクルウェアの快適さを体感しやすい |
走行中の快適性に特化し、直立時ではなく 乗車した前傾姿勢の時に衣服の着用感が100%になる設計 |
おすすめ |
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トレーニングやレース志向・部活動などしっかり走る方 |
同じサイズでもフィット感が異なると寸法が変わります。購入前には表記をチェックしておきましょう。
普段着のようなトップスで、シャツや長袖・スウェットなど種類が豊富です。普段着に比べて吸汗性・伸縮性などが優れていたり、前傾姿勢になったときに腰が隠れるようになっていたりと自転車仕様になっています。
街乗りのほか、自転車移動+街歩きなど電車に乗ったりお店に入ったり街中を走るときにぴったりです。
カジュアルスタイルでもインナーウェアの上に着用します
朝晩の冷え込む時間帯や突然の雨などの天候の変化時に羽織ります。
脱いでも荷物にならないよう小さく折り畳める薄手のものが多く、スポーツライドはもちろん街乗りやサイクリングでもお守りがわりに持ち運んでおくと便利です。
ジャケットは冬サイクリングの必須アイテム
寒い時期のサイクリングでは必須の冬用サイクルウェアです。風を進入させないフィルムを使用し、裏起毛素材が使われるなど冷えない工夫が凝らされています。冬も走る方は防寒対策に1着用意しておきましょう。
厚手のため重ね着すると機動性に影響が出やすく、インナーの上に直接着用するのがおすすめです。
サイクルウェアのボトムスはお尻の痛み対策として衝撃吸収パッドがついているのが特徴です。1枚で着用できるボトムスタイプと下着として使うインナータイプがあり、そのうち初めての方にもおすすめのアイテムを紹介します。
サイクルウェアのボトムスといえばレーサーパンツです。衝撃吸収パッド付で下着なしかつインナー兼ボトムスとして1枚で着用します。5分丈(膝上)のものが一般的です。
主に春夏シーズンに使われ、手軽さから最初の1枚や屋内トレーニング用など初心者から上級者まで人気があります。
ゆとりのある着用感で通勤通学などの街乗りや観光を楽しむサイクリングにうってつけです。カジュアルな見た目ですが衝撃吸収パッドがついているものが多く、商品によってはパッドが脱着できるものもあります。パッドを外して普段着としての着用も可能です。
パッドがついているものは下着なしで直接着用します。
衝撃吸収パッドがついた10分丈のボトムスです。主に冬の寒さ対策として裏起毛や防風素材などが施され、軽めのサイクリングなどでも重宝します。
下着なし、インナー兼ボトムスとして1枚で着用するのが基本ですが、ぴったりした見た目が気になる場合はタイツの上に普段着などを重ね着するとよいでしょう。
春夏用タイツもあり、日焼け対策に使う方もいます
レーサーパンツやタイツと異なり、下着として普段着などと組みあわせて着用します。お尻に衝撃吸収パッドがついているので痛み対策もばっちりです。ぴっちりした見た目が気になる方や街乗りなどでスポーティなサイクルウェアが使いづらい方はこちらが適しています。
サイクルウェアは服だけでなく小物類なども含みます。普段着と組み合わせるなど気軽に挑戦しやすいです。様々ありますが、最初に手に入れておきたいアイテムを紹介します。
半袖のウェアとあわせて使う腕全体を覆うアイテムです。春夏は日焼け防止にアームカバー、秋冬は防寒用にアームウォーマーを使います。
サイクルジャージだけでなく普段着にもあわせられることに加えて気温が変わりやすい時期の温度調整に便利なので、初めての方にもおすすめです。
▼アームカバーとアームウォーマーは素材や機能に違いあり
太ももから足首までを覆うウェアで、主にレーサーパンツなど5分丈のボトムスとあわせて使用します。レッグカバーは春夏の日焼け防止用、レッグウォーマーは秋冬の防寒用です。
気温差のある春秋での温度調節に便利で、5分丈のボトムスを使う方は1枚持っておくのをおすすめします。
ロングライドやレースなど本格ライドに挑戦するなら持っておきたいサイクルウェアをご紹介します。
▶トップス
▶ボトムス
▶小物|キャップ、ソックス、シューズカバー
トップスは空気抵抗を減らして楽に速く走れるよう、より密着度が高いものがおすすめです。
機能性を重視するならサイクルジャージの中でもレースフィットがおすすめです。ぴったりと密着感があり、空気抵抗が少なくスピードが出やすかったり長距離での疲労を抑えたりすることができます。
風をシャットアウトする素材で急な冷え込みや雨対策に使われます。
ウィンドブレーカーと同じ機能ですが、袖がない分コンパクトに収納できるため荷物を減らせるうえに体幹だけを保温できるので運動強度が高い人に適しています。
本格ライドであればサスペンダーや胸当てがついたビブタイプがおすすめです。衝撃吸収パッド付で下着なしで直接着用します。
レーサーパンツなどの腰履きタイプに比べてパッドがずれにくく、長時間走行や強度の高いトレーニングなどに最適です。
ウエストに締め付けがなく楽なので強度にかかわらず圧迫感が苦手な方にも向いています。
ビブはインナーウェアとジャージの間に着用します。
▶ビブショーツ【5分丈・夏におすすめ】
膝上ぐらいの5分丈です。ビブのスタンダードで初めての1着としても人気があります。夏のライドにおすすめです。
▶ビブニータイツ【6〜7分丈・春/秋におすすめ】
主に膝の隠れる6〜7分丈のものを指します。春先や秋口など肌寒い季節に最適です。
▶ビブタイツ【10分丈・夏/冬で使い分けできる】
10分丈のビブです。夏の日焼け対策、冬の寒さ対策に使用します。夏素材はUVカットや遮熱、冬素材は裏起毛や防風などが展開されているので、季節にあわせて選びましょう。
よりパフォーマンスを上げるなら小物類も揃えてみましょう。
ヘルメットの下にかぶる帽子です。春夏は汗を止め、秋冬は保温になるといった機能性もさながら乱れた髪型のカバーなど様々な面で活躍します。ヘルメットの下にかぶれるようシンプルな作りで、普段使いも可能です。
普段着の靴下に比べて汗で蒸れにくく、さらにライドが快適になる様々な機能が付加されています。用途や好みに応じて選べるのが魅力です。
本格ライドはもちろん、足元の不快感が気になっている場合におすすめです。
シューズカバーは防寒対策や雨濡れ対策としてビンディングシューズの上に着用します。
ビンディングシューズを使用している方で寒さや雨が気になる場合やレースなどでパフォーマンスを高めたい方に向いています。
ビンディングの種類に合わせて互換性があるので必ず使っているシューズを把握した上で選びましょう。
サイクルウェアは走る気温に応じて重ね着をしたりアイテムを組み合わせたりするのが基本です。コツを抑えて心地よく走れるよう調整してみましょう。
基本の半袖ジャージ+5分丈のレーサーパンツやビブショーツに加えて、一日の気温差に対応できるようウィンドブレーカーまたはベスト、アーム・レッグカバーを持っておくと安心です。
寒い時期には長袖ジャージや冬用のインナー、アウターなど少しずつ切り替えていきましょう。
ウィンドブレーカーやベストは夜間や雨天時など視界が悪い時間帯に使用することも想定して白や蛍光イエローなど視認性の高い色を選ぶのがおすすめです
汗と日焼け対策が重要です。半袖ジャージ+5分丈ボトムスに加えて、インナーやグローブなどの小物も吸水速乾性の高いものを選びましょう。
寒さ対策に裏起毛や防風機能がついているものがおすすめです。
気温が5〜10℃の場合は厚着をすると漕いでいるうちに暑くなることがあるので、冬用インナーに長袖ジャージまたは薄手のジャケットが適しています。
寒いのが苦手な方や本格的な寒さが続くときには厚手のジャケットとタイツとあわせて冬用ソックス、冬用グローブなどを揃えましょう。
サイクルウェアの購入時に気を付けておきたいポイントや服装選びのコツなどを解説します。
サイクルウェアは春夏用と秋冬用で素材も機能も異なります。適応する季節が明記されている場合が多いので参考に選びましょう。
▶春夏用によくある機能や素材の例
▶秋冬用によくある機能や素材
秋冬用のサイクルウェアには「温度帯」が設定されているものがあります。外気温を目安に、温度が下がるほど防風などしっかりと防寒対策されたウェアです。参考に選んでみてください。
▼温度帯の設定
サイクルウェアは体に沿うピッタリのサイズを選ぶことが大切です。大きすぎると使用中にずれてしまったりひっかかったりすることがあります。
試着してみたり体をメジャーで計測してサイズ表と見比べたりして自分にあうサイズを見つけましょう。
▼サイズの調べ方はこちらの記事で紹介しています
サイクルウェアは小物だけでも効果があるので、最初から全てを揃える必要はありません。普段着と組み合わせながら徐々にサイクルウェアにシフトしていくと挑戦しやすいです。
まずは絶対必要なグローブやインナー、次にお尻が痛くなってきたらインナーパンツなど不快な面が出てきたら専用ウェアで対策していきましょう。
日本のサイクルウェアメーカー。特にボトムスが人気で用途にあわせて厚みが選べるパッドや夏の接触冷感など季節に適した素材のものが展開されています。
日本人の平均的な体型にあったサイズ、さらに様々な人に合うようメンズ・レディースのほか幅広や丈が長いサイズなどがあるため誰でも選びやすいのが特徴です。
また初心者にも手が出しやすいグレードが用意されているので最初の導入としても人気があります。
サイクルウェアを着る人は老若男女問わず1着は持っているほど有名なブランドです。コラボやシーズンに合わせた限定デザイン・店舗限定デザインなどもあり、バリエーション豊かなデザインから好みの1着が見つけられます。
日本のサイクルウェアブランドで、日本人の体型に合わせたサイズ展開が魅力です。メンズ・レディースの他に男女問わず着ることができる「ユニセックス」サイズやウエストがゆったりとしたワイドサイズなどバリエーションが豊富です。
普段着としても活用できるカジュアルやベーシック路線の「KAPELMUUR」、しっかり走る人へ向けた比較的タイトな「Lion de KAPELMUUR」の2ラインがあり、お好みで選べます。
女性やカジュアルなデザインがお好きな方、デザイン性を重視しつつ機能にも注力したいしっかり走る派の方まで様々な層に人気です。
コンポーネントなどのパーツからウェアまで手掛ける日本のブランドです。大手だからこそできる各シーズン1回きりの一括大量生産で価格を抑え、コスパの良いラインナップで初心者や学生などにも人気です。
最初の1着として選びやすいベーシックなグレードから、しっかり走る人に向けた「S-PHYRE」というウェアラインもあり、各自がスタイルに合わせた選択ができるようになっています。
中でも自社シューズとの相性も計算された「ソックス」「シューズカバー」は高いフィット感で人気があります。またアイウェアも製造しているのでヘルメット以外のウェアは一式まとめて揃えることも可能!
世界的な人気を誇るイタリアのウェアブランドです。シンプルなデザインが好きな方や運動強度の高い方に選ばれています。
初心者も挑戦しやすい適度なフィット感の「ベーシック」と、レース志向な方へよりピッタリとしたフィット感の「ROSSO CORSA」を展開しています。
サイズ感はヨーロッパフィットと日本サイズよりもやや大きめ。購入の際には必ずサイズ表をチェックして確認してください。
イタリアブランドの車体(ピナレロやビアンキなど)とあわせて選ぶ人もいます。
日本でデザインし、イタリアで生産をおこなうブランド。他ブランドにはない個性的でポップなデザインやユニークなモチーフやパロディウェアが人気です。
メンズとレディース用にそれぞれ骨格に合わせたサイズを展開しているので、男女問わず選べます。
同じデザイン・色違いなども多いので友達や家族とお揃いに着用する方も多いです。
ホイールなど車体パーツやウェアなど様々な製品を取り扱うブランドです。
ウェアの中でもシューズとヘルメットが有名で、シンプルで飽きのこないデザインが魅力の一つ。
シューズはcm表記で選びやすいですが、サイズ感はヨーロッパフィットなので日本サイズよりもやや大きめ。サイズチェックをお忘れなく。
有名なイラストレーターとのコラボなど個性的なアイテムもあり、おしゃれに決めたいかたにもおすすめです!
アイウェアが有名なサイクルウェアブランド。アパレルも展開し、ベーシックな着用感と意外とリーズナブルなお値段が魅力です。
メインのサイズ表記はヨーロッパ規格のため、購入の際は日本サイズと比較するのがおすすめです。
企画開発から生産を一貫して行い、着心地が良くパフォーマンスに優れたものづくりが特徴のイタリアブランド。
カラフルな色彩とシンプルなデザインも流行問わず使いやすいです。メンズ、レディースモデルどちらも展開しています。
価格が控えめなので「まずは試したい!」という方や今後サイズが変わる可能性が高いお子様にもおすすめです。
サイクルウェアは各オンラインサイトやスポーツバイクに特化したプロショップなどで購入できます。
サイズ感が心配な方は試着ができるプロショップでの購入がおすすめです。適切なサイズ感だけでなくメーカーごとの傾向やライドにあった服装などもスタッフに相談しながら選べます。
日本最大級のスポーツサイクル専門店
ワイズロードではサイクルウェアに特化したウェア館も展開。初めてでも安心してスタッフにご相談ください。
実は紹介したアパレル以外に、ヘルメットやアイウェア、シューズなど「身体に身につけるもの」を総じてサイクルウェアと呼びます。
ここではアパレル以外のサイクルウェアについて紹介します。
頭部を守るためのアイテムです。令和5年4月から全年齢で着用努力が義務化されています。街で使いやすいカジュアルなものから通気性や軽量性も備えたスポーティなタイプまで様々です。
安すぎるものは安全規格をクリアしていないものも多く、いざという時にあまりプロテクトの効果を発揮しないものもあります。ヘルメットの規格や選び方は以下の記事も参考にしてみてください。
アイウェアは自転車走行中の紫外線、砂埃や車が踏んだ小石(飛び石)や虫などから目元を保護します。シティサイクルやママチャリよりもスピードが出る分、視界が悪くなると安全性にも影響するためつけておくと安心です。色付きで眩しさを軽減する昼向きアイウェアや、紫外線量によってレンズの色が変化する特殊レンズなど様々な機能のものが展開され、走る時間帯や場所によって選ぶことができます。
ビンディングシューズはペダルに固定できる靴です。効率よく漕ぐ力を自転車に伝えることができパワーロスが少なく、登坂のしやすさや長距離ライドでの疲労軽減などの効果があります。サイクリングに慣れ、パフォーマンスをさらに高めるために導入する方が多いです。
▼ビンディングシューズやペダルについてはこちらの記事をチェック!
サイクルウェアと一口に言ってもスタイルや着用感などはさまざま。一気に揃えきる必要はなく、まずは普段着には補えないものから徐々に揃えていくことで快適性を実感できます!商品を見ながら好みなデザインやスタイルなどを見つけてみてください。
普段来ている服のサイズ表とサイクルウェアのサイズ表を比較するのも参考になります