ロードバイクは舗装路でのスピード走行を得意とするスポーツバイクです。
自分の手足になったような一体感で走ることができ、本格的なスポーツライドだけでなく通勤通学や街乗り用途でも人気があります。
この記事ではロードバイクの素材や種類などの基礎知識のほか、人気メーカーの紹介やおすすめのロードバイク10選をまとめました。
これからロードバイクを選ぶ方やロードバイクについて知りたい方は必見です。
目次
ロードバイクは舗装された一般道を高速で走ることを想定して作られたスポーツバイクです。より力強く漕ぎやすい前傾姿勢や速いなかでも安定して操作できるハンドリング特性を持つなど速くて快適に走れるよう設計されています。
自転車に乗ることそのものをスポーツとして楽しめるのがロードバイクです。たとえレースなどの競技でなくても自分の力だけで風を切るような速さを感じ、想像以上の距離を走れる爽快さを楽しめます。
またスポーツ用途向けですが通勤通学などの街乗りにも使えるため、スポーツライド中心でない方にもおすすめです。
通勤通学などで人気のスポーツバイクといえばロードバイクとクロスバイクです。一見似ていますが、それぞれ得意分野が異なります。
ロードバイク | クロスバイク | |
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用途 | スピード走行 | 街乗り |
ハンドル | 漕ぎやすい姿勢を保つドロップハンドル![]() |
コントロールしやすいフラットハンドル![]() |
姿勢 | 深い前傾姿勢 | ゆるやかな前傾姿勢 |
スピード | 中~高速向け | 低~中速向け |
キックスタンドなど街乗りアイテムの適合 | 取付できない場合あり | 基本的に取り付け可能 |
ロードバイクは軽い力でスピードが出やすく、クロスバイクはスピードはそこそこに衝撃吸収性や段差などでの安定性が高いのが魅力です。
速く走ることを楽しみたい人はロードバイク、快適に街乗りをしたい人はクロスバイクをおすすめします。
ロードバイクの乗り心地や価格はフレームの素材によっても変わります。代表的な素材はアルミ、カーボン、クロモリの3種類です。
アルミはスポーツバイク全般によく使われる素材で、比較的安くて錆びにくく扱いやすいのがメリットです。加工しやすく種類が豊富で、街乗りや初心者向けの入門バイクから自転車を乗り倒す上級者向けの高品質なモデルまであります。
軽くて性能がよい半面価格が高く、ミドルグレード以上のモデルに使用されます。レース参加など高性能なロードバイクを求める中級者以上のライダーにおすすめです。
重量はありますが独特のしなりがあり、衝撃を吸収するのでごつごつした道も快適に走れます。自分のペースで走る方で乗り心地を求める場合に最適です。素材の強度が高いため細身に仕上げたおしゃれなフレームが多く、見た目に惚れて選ぶ人もいます。
ロードバイク初心者の方はアルミ素材の車体がおすすめです。重量は軽く、走行性能のバランスが良く、ラインナップが豊富に用意されています。カーボン素材よりも安くてクロモリ(スチール)素材よりもサビる心配が少なく、扱いやすいです。
ロードバイクは余計な力を使わず速さを保つために細かな変速(ギアチェンジ)が用意されています。この変速の性能にかかわるのがコンポーネントです。
コンポーネントは一つのパーツではなく変速ギアや変速機など変速や制動にまつわるパーツの総称として使われます。
コンポーネントには様々なグレードがあります。グレードによる差は主にギア操作の快適性です。グレードが高くなるほどギア変速がなめらかで精度が良く、高価になります。
グレード名 | 性能 | 特徴 |
---|---|---|
DURA-ACE(デュラエース) | 高 | レースでの勝利を求める競技者向け |
ULTEGRA(アルテグラ) | ↑ | あらゆるロードバイクでのスポーツ走行に対応 |
105(イチマルゴ) | | | レースにも使える本格ロードバイクコンポの登竜門 |
TIAGRA(ティアグラ) | | | 日常にスポーツ走行を取り入れたい方向け |
SORA(ソラ) | ↓ | ロードバイクを乗り始めるスタート地点 |
CLARIS(クラリス) | 低 | 価格を抑えてロードバイクに乗り始めたい方向け |
街乗りだけでなくツーリングやレースなどスポーツライドを視野に入れるのであれば105以上がおすすめです。下位グレードに比べて性能や耐久性がグッと上がります。
初めて乗り始めるならCLARIS(クラリス)以上を目安に選ぶとよいでしょう。手ごろな価格でスポーツバイクらしい優れた変速性能と操作感を楽しめます。補修部品も入手が容易なことも魅力です。
ロードバイクは様々な用途にあわせたいくつかの種類があります。使用用途を考え、大きく外れないジャンルを選びましょう。
一般的にロードバイクの形としてイメージされるのがヒルクライムバイクです。フレームは細めで軽く、登り性能に長けています。レースはもちろん街乗りでも軽くて速いロードバイクが欲しい場合に最適です。
エンデュランスロードは快適性と疲労を抑える設計で長距離走行に適しています。ヒルクライムバイクやエアロロードに比べて前傾姿勢が浅く、初めてでも乗りこなしやすいです。サイクリングやツーリングも楽しみたい方はチェックしてみてください。
走行時の空気抵抗を抑えることで平地のハイスピードレースに対応したのがエアロロードバイクです。レース向けのため軽量でグレードの高いパーツやフレームを使った高性能モデルが展開されています。平地での競技に挑戦したい方におすすめです。
基本的にロードバイクは舗装路での走行がメインですが、グラベルロードはオフロードも楽しめる頑丈仕様です。衝撃吸収力と安定性が高く、砂利道や段差などでも快適に走れます。舗装路から荒れた道まで遊びつくしたい方にぴったりです。
買ってから後悔しないために、ロードバイクを選ぶときのコツをご紹介します。
ロードバイクのポテンシャルは自転車の性能だけでなく、動力に頼らないゆえに乗る人のモチベーションによっても左右されます。
おおまかなジャンルはあるものの、極端に用途が絞られるモデルはほとんどありません。「かっこいい」と思えるモデルを選んでも良いでしょう。「かっこいい」と思えるロードバイクはあなたの能力を引き出します。
ロードバイクを楽しみ続けているスタッフに、初めての一台をどう選んだか聞いてみました。
完全にルックスを基準にし、当時はジャンルとしてすら成立していなかった「エアロロードバイク」をフレームセットで購入しました。
パーツをかき集めて1台の車体に組み上げて乗ったときには、自分で選んだフレームが自転車の形になり、実際に走った時には興奮したのを覚えています。
今後パーツのグレードアップもしたくなりそうであれば、ホイール規格はスルーアクスルを採用したディスクブレーキタイプを選びましょう。
ロードバイクは走りの質を変えたりかっこよさを上げたりとカスタムが楽しめるのも魅力。中でもホイールは「自転車のグレードアップのだいご味」といわれるほどの人気カスタムパーツですが、実は購入後の規格変更が難しいです。
現在は複数の規格があるものの時流などにより今後はこの仕様で統一される見通しが高いため、自分カスタムも楽しんでみたいという方は気にしてみておきましょう。
快適に走行するために見逃せないポイントは自分にあうサイズを選ぶことです。
ロードバイクのサイズはタイヤサイズではなくフレームの大きさ(角度や長さ)が違い、サイズが合わないと力が入れにくくスピードが出なかったり疲れやすかったり、さらには身体を痛めてしまう可能性もあります。
適正サイズの選び方は店舗などで体格を測定したうえでジオメトリ(フレームの設計)と照らし合わせる方法がおすすめです。
メーカーやモデルにより規格が変わるため、車体の目星をつけたうえで店舗へ相談にいきましょう。
適正サイズは身長だけでなく手足の長さや乗り方によっても変わります。たとえば手が長ければハンドルまでの距離を考えてワンサイズ大きくする場合も。ほとんどのモデルは適正身長が記載されていますが、あくまで目安と捉えておくとよいでしょう。
日本最大級のスポーツサイクル専門店
人気のロードバイクメーカーをご紹介します。
所有率・気になるブランドとして声が上がるような、お客さんからも専門店スタッフからも注目度の高いブランドです!
TREK(トレック)は世界的にも人気があるアメリカの大手スポーツバイクメーカーです。ロードバイクは低価格帯からプロも使う本格仕様まで様々な選択肢が用意されています。
中でも軽量ロードの「EMONDA(エモンダ)」と長距離の快適性を重視したエンデュランスロードの「DOMANE(ドマーネ)」にはお買い得な初心者向けモデルがあり、街乗りや最初の一台としても人気です。
GIANT(ジャイアント)はコストパフォーマンスの高さが魅力の台湾メーカーです。エントリーモデルにラインナップされている「CONTEND」シリーズは性能のバランスが良く、どのような使い方をしたいか定まらないうちから買っても楽しめる柔軟な適応能力を持っています。
BIANCHI(ビアンキ)はおしゃれなブランドカラー「チェレステ」が目を引くイタリアブランドです。アルミフレームを数多く手掛けています。
手頃に楽しめるエントリーモデルにも上位グレードのノウハウが適用されているのが魅力です。エントリーモデルの中でもVIA
NIRONE7(ヴィアニローネ)はアルミ素材を「ハイドロフォーミング」という工法で加工し、軽さ、強度、乗り心地を優れたバランスで実現しています。
CANNONDALE(キャノンデール)はアメリカのスポーツバイクブランドです。特にアルミの成型技術が高く、「キャノンデールのアルミロードバイクはカーボンバイクに劣らない」といわれています。
比較的安くて街乗りでもスピードを楽しめるCAAD Optimo(キャドオプティモ)やアルミロードバイクとは思えないほどの走りを見せるレースバイクCAAD13(キャド13)などが人気です。
KHODAABLOOM(コーダーブルーム)は数少ない日本のブランドです。日本人の体格に合った車体を独自に企画して販売しています。中でも「FARNA」シリーズは初めてでも乗りやすい剛性感にフルシマノコンポーネントを装着しながら、非常にお買い得な価格を実現しています。
▼もっとロードバイクメーカーのことを知りたい方はこちら!
ほとんどのロードバイクにはペダルやライトなどが付属していないため別途用意する必要があります。このアイテムも予算に組み入れて購入計画を立てましょう。
▼価格や選ぶポイントはこちらの記事をチェック
上記の必須アイテムがあれば問題なく走れますが、ロードバイクをより楽しみたいという方は次のアイテムもおすすめです。
長時間走行での手の痛み防止に必須のアイテムです。ハンドルが当たる部分に衝撃吸収用のジェルがついた高性能グローブもあります。
ロードバイクは一般の自転車に比べてサドルが固めで痛みが出ることがあるため、サドルが当たる部分にクッション(パッド)がついたサイクルパンツまたはサドルカバーがあると便利です。
ボトルケージはボトルを取り付けるために使います。ペットボトルをつけられるタイプもあり、手荷物を軽くできて走行中に水分補給もできる優れものです。街乗りやサイクリングでも活躍します。
ロードバイクにはキックスタンドがついていないため、外出時に使いたい場合は用意しましょう。ロードバイクは装着できない場合もあるため店舗などで相談するのがおすすめです。
ロードバイクを屋外保管する場合には必須のアイテムです。ロードバイクの大敵である水濡れや汚れを防ぎます。愛車を長く楽しむためにも用意しておきましょう。
走行スピードや距離などの走行データをリアルタイムで記録できるアイテムです。クラウドで保存されるモデルもあり、本格派だけでなくサイクリングで行った場所や思い出を残すなど初心者でも楽しめます。
ロードバイクはスポーツバイクの中でも速く走れ、その割に乗りやすいジャンルで、体の能力を拡張するような感覚が楽しめる乗り物です。
適切な車体、サイズ、周辺アクセサリーを選ぶことで、その能力を100%活かしきることができます。ぴったりの一台を選んで、楽しくスポーツバイクライフを送りましょう。
コンポのグレード差は自転車の速さには直結しない性質が強く、操作の滑らかさや変速の速度や精度、ギヤの段数の違いによるギヤ比の選択肢の多さなど、どちらかといえば操作の快適性に影響が出るパーツです。