苦しい!楽しい!ヒルクライム vol.4 軽量化カスタム編

苦しい!楽しい!ヒルクライム vol.4 軽量化カスタム編
こんな方に読んで欲しい!
  • 山登りに向けた軽量化の方法が知りたい
  • 軽量化することのメリットを知りたい
  • どのパーツを軽量化するかの優先順位がわからない

ロードバイクのカスタムに関して、最近では軽さよりも空力の方が主眼を置かれることが多くなりましたが、まだまだ軽さが求められる用途がヒルクライムです。
軽量化の恩恵が大きい部位はありますが、どのパーツを交換しても、それぞれに固有のメリットがあります。

より楽に、より速く登るために、
ロードバイク向けのスペシャルな
軽量パーツをご案内いたします。

軽量化のポイント

ロードバイクのチューンナップでは、今付いているパーツをより軽いものに交換することで自転車を軽くしていきます。

カーボンパーツでの軽量化は特に効果的

軽量パーツは素材レベルで軽量な物が使われています。 特にカーボンは軽量化の効果が大きく、剛性にも優れるためヒルクライムでのバイクの反応性も上げられます。 ただしお値段は高めなうえ、大きな衝撃が加わると目には見えない破損が起きることも。自転車を丁寧に取り扱う繊細さが求められます。

逆にアルミはカーボン素材ほど取り扱いに神経質さが求められないパーツが多いため、自分で自転車を整備してみたいDIY派の方にも取っつきやすいチューンナップです。

また、たとえ同じ素材でもグレードによって軽さは変わります。そのためアルミ素材同士でパーツ交換を行っても、上級グレードの部品にするだけでも軽量化は可能です。

パーツ別のポイント&おすすめアイテム

ここからは、パーツのジャンル別におススメの軽量パーツをご紹介いたします。
あなたが目指すチューンナップの方向性に合わせて、ピッタリのパーツをお選びください。

参考までに、30〜40万円程度のディスクブレーキの車体に採用されている標準的な重量のパーツから交換した時、どのくらい軽くなるのかも記載しました。 軽量化の効果を知るご参考にどうぞ。

ホイール・タイヤ 
足回りは最優先の軽量化ポイント

軽さが走りに直結する一番の部位が、ホイールなどのいわゆる「足回り」と呼ばれるパーツ。
高速で回転し自転車本体以上に大きなモーメント(動き)が働いているため、軽いホイール・タイヤにするだけで、「ほかのパーツのn(=人によって 2〜10など、感じ方はそれぞれ)倍の効果がある!」と言われるほど。 特に山を駆け上がるヒルクライムでは、常時ホイールの漕ぎ出しが続いているような状態のため、軽量化の恩恵が大きくなります。

おすすめホイール3選

  • MAVIC COSMIC SLR 32 DCL

    MAVIC COSMIC SLR 32 DCL
    ペア重量:1,390g
    参考ホイールから 605g軽量化

    世に「完組ホイール」(完成状態で販売されるホイール)という概念を生み出したのが、フランスのMAVIC(マヴィック)。

    カーボンリムモデルに自社の技術を結集したのが、今回ご紹介する「コスミックSLR」です。 リムハイト別に3モデルがラインナップされており、最もヒルクライム向けのローハイトモデルがこちらです。 反応性の高さに加え、転がり抵抗に優れるチューブレスタイヤに対応し、あなたを軽快に後押ししてくれます。

  • SHIMANO  WH-R9270-C36-TL-F/R

    SHIMANO WH-R9270-C36-TL-F/R
    ペア重量:1,350g
    参考ホイールから 645g軽量化

    勝利のために生み出されたコンポーネント「DURA-ACE」の名を冠するホイール。 最新のあらゆるトレンドを盛り込み、ペア重量1,350gの軽さを達成しながら、エアロ効果、チューブレス対応と死角なし。シマノ12速専用。

  • Campagnolo HYPERON ULTRA DB 2-WAY FIT

    Campagnolo HYPERON ULTRA DB 2-WAY FIT
    ペア重量:1,240g
    参考ホイールから 755g軽量化

    コンポもさることながらホイールの評価が非常に高いカンパニョーロが放つ、ヒルクライムの決戦兵器。 37mmのリムハイトからは想像もつかない1,240gの驚異的軽さと、ミディアムプロファイルホイール「BORA」で培ってきた技術が驚異的なクライミング能力をバイクに与えます。

おすすめチューブレスタイヤ3選

  • CONTINENTAL GP5000 TT TR

    CONTINENTAL GP5000 TT TR
    ペア重量:480g (700×28C)
    参考チューブレスタイヤから 190g軽量化

    あらゆるロードタイヤのベンチマークとなって久しい名作タイヤに軽量モデルが登場。 耐パンクケーシングを採用したまま225g(25C)の軽さを実現し、決戦用タイヤとして完璧な仕上がり。

  • VITTORIA  CORSA PRO SPEED

    VITTORIA CORSA PRO SPEED
    ペア重量:500g (700×28C)
    参考チューブレスタイヤから 170g軽量化

    チューブラー時代からタイヤを見つめ続けてきたヴィットリアの最新作。 伝統的製法と革新的技術の融合で、ヒルクライムのみならずレーシング性能を究極レベルに押し上げています。

  • VITTORIA  CORSA PRO SPEED

    IRC FORMULA PRO HOOKLESS TUBELESS READY S-LIGHT
    ペア重量:510g (700×28C)
    参考チューブレスタイヤから 160g軽量化

    国産の雄・IRCは他社に先駆けてロードチューブレスタイヤを手がけた先見性のあるブランド。 天然由来の素材「RBCC」がグリップ力とハンドリング性能を提供。最新ホイールの仕様「フックレス」にも対応。

おすすめクリンチャータイヤ3選

  • PANARACER AGILEST LIGHT

    PANARACER AGILEST LIGHT
    ペア重量:380g (700×28C)
    参考クリンチャータイヤから 160g軽量化

    レースモデル「アジリスト」をさらに軽量化し、ヒルクライムに特化させたスペシャルモデル。 ヒルクライムモデルの前作「GILLAR」から重量を増やすこと無く、転がり抵抗低減を実現した超軽量レーシングタイヤ。その重量は23Cで160gと超軽量!

  • GOODYEAR Eagle F1 SuperSport R Tube Type

    GOODYEAR Eagle F1 SuperSport R Tube Type
    ペア重量:410g (700×28C)
    参考クリンチャータイヤから 130g軽量化

    アメリカから自転車用タイヤ界に殴り込みをかけてきた黒船。 ただ軽量なだけでなく、150TPIのしなやかなケーシングが山岳特有の荒れたアスファルトでもしっかりとしたトラクションを実現。

  • MAXXIS HIGH ROAD SL

    MAXXIS HIGH ROAD SL
    ペア重量:360g (700×28C)
    参考クリンチャータイヤから 180g軽量化

    MTBでは確固たる地位を確立しているタイヤブランドはロード用モデルにも力を入れて展開。 チューブレスレディよりも圧倒的に軽い、25Cで170gの軽さは驚異的なヒルクライム性能を実現。 超軽量ながらしなやかさ、グリップ力、対パンク性能をバランスさせた高性能タイヤ。

チューブ 
手軽な交換で効果抜群!

チューブレス全盛の今でも、クリンチャータイヤをお使いの方はたくさんいらっしゃるはず。 ホイールやタイヤの陰に隠れがちですが、実はチューブこそ軽量化の恩恵が大きいパーツ。 ホイールの外周部なだけに効果は大きく、軽いチューブはその薄さからしなやかさに優れ、転がり抵抗をも軽くし、クッション性もアップします。
最近では重さ、耐パンク性、転がり抵抗の3点で従来の素材を圧倒する「TPU」素材がデビューし、革命が起きています。 足回りの軽量化の効果を、手軽にお確かめいただけるチューンナップです。

おすすめTPUチューブ3選

  • SCHWALBE AEROTHAN

    SCHWALBE AEROTHAN
    ペア重量:82g (700X23/28C 40MM)
    参考チューブから 150g軽量化

    ドイツの大手タイヤメーカーもTPUチューブに颯爽と参入。同社の軽量ブチルチューブより40%軽量化したこともさることながら、転がり抵抗の軽さは第三者のテストでも実証されたもの。

  • tubolito S TUBO ROAD

    tubolito S TUBO ROAD
    ペア重量:46g (700X18/28C 42MM)
    参考チューブから 186g軽量化

    手に持った自分の感触を疑うその軽さは、驚異の23g!TPU素材が持つ軽さを最大限に活かしたヒルクライム決戦チューブ。 軽量チューブとしては空気の抜けも少なく、突き刺しパンクへの耐性も高い実用性の高さもポイント。
    ディスクブレーキ専用モデル(重量は増えるがリムブレーキ対応モデルもあり)。

  • MAGENE EXAR TPU チューブ

    MAGENE EXAR TPU チューブ
    ペア重量:72g (700X23/28C 45MM)
    参考チューブから 160g軽量化

    重さと転がり抵抗に優れるものの、どうしても高額になりがちだったTPUチューブ界に価格破壊をもたらした寵児。 他社製品に劣らぬ36gの軽さながら、税込¥1,650は軽量ブチルチューブ並みの価格! 耐パンク性の高さから、普段使いをしても良さげな選択肢。

サドル&ハンドル 
ダンシングにその利点あり!

自転車のなかでも高い位置にあるサドルとハンドル。軽量化することで重心が下がり、ダンシングする際の振りが軽くなるというメリットも(同様の理由で、ステムやバーテープ、シートポストの軽量化も効果あり)。

最近はパッドに3Dプリントを活用した製品が増え、軽量なモデルでも快適に走れるサドルが増えています。

ハンドルはケーブル内装が主流になったことにより、ケーブルルーティングの確認を事前にしておきましょう。

軽量化比較の参考サドル/ハンドルはこちらです。

おすすめサドル3選

  • TNI 3D PRINTING 3 SADDLE 143x235MM

    TNI 3D PRINTING 3 SADDLE 143x235MM
    重量:約145g ※個体差が有ります
    参考サドルから 73g軽量化

    とびぬけた値段になりがちな3Dプリントサドルの中にあって、2万円台で入手可能なモデル。 レールとベースはカーボン製で軽量化しながらも、3Dプリントのパッドで快適性を確保。 ショートノーズや大きな穴あきなど、現代のトレンドをくまなくカバー。

  • fi'zi:k VERSUS EVO ANTARES 00 ADAPTIVE 146MM

    fi'zi:k VERSUS EVO ANTARES 00 ADAPTIVE 146MM
    重量:154g (146mm)
    参考サドルから 64g軽量化

    100g台のサドルといえばお尻との相性に欠けていた時代を終わらせた、新時代の幕開けを告げるサドル。
    3Dプリントで製造されたパッドは、軽量かつ快適性や通気性にも優れる未来のクッション素材。 レーサーパンツでなくてもはっきり感じられる、未曾有の快適性をこの軽さで!

  • prologo NAGO R4 PAS 3DMSS 245×137mm

    prologo NAGO R4 PAS 3DMSS 245×137mm
    重量:149g
    参考サドルから 69g軽量化

    世界のトップカテゴリーで走るレーサーの協力を得て生まれた3Dプリントサドル。 さまざまなプロおよびアマチュアのサイクリストによってサドルにかかる圧力領域を解析し、エリアごとにフォームの硬さを調整されて快適性を確保しています。

おすすめハンドル3選

  • PRO VIBE スーパーライトハンドルバー

    PRO VIBE スーパーライトハンドルバー
    重量:157g (400mm)
    参考ハンドルから 147g軽量化

    異常な重量剛性比を誇る謎のカーボンハンドル。最軽量サイズで154gなのに、全く軽さを感じさせない剛性の高さはダンシングをすると一目瞭然。
    高身長のオランダ人が作っているだけのことはある?(勘違いされがちですが、PROは日本ではなくオランダのブランドです)

  • BONTRAGER AEOLUS RSL VR-C HANDLEBAR/STEM

    BONTRAGER AEOLUS RSL VR-C HANDLEBAR/STEM
    重量:292g (420X100mm)
    参考ハンドルから 8g軽量化

    TREK傘下のパーツブランドが放つステム一体型ハンドルは、TREKのカーボン技術が満載。 270g台(380X80mm)と一体型ハンドルのなかでも軽いだけでなく、ケーブル半内装、アクセサリーマウント付属、サイズが豊富など、ハンドルにあるとうれしいスペックの全部盛り。

  • DEDA SUPERLEGGERA RS RHM

    DEDA SUPERLEGGERA RS RHM
    重量:180g (420mm)
    参考ハンドルから 120g軽量化

    イタリアンコクピットブランドの軽量ハンドルといえばこれが定番。 握りやすさと各セクションの移動のしやすさを両立したドロップ形状は、現代で主流になっている「アナトミックシャロー」の先駆け。 剛性感も十分確保されており、ヒルクライム用に交換した後そのまま装着し続けられる安心感。

ヘルメット 
忘れちゃいけない!頭の上の軽量化

パーツの軽量化だけを意識すると忘れがちなのが、身に着けるウェアの軽量化。 中でもヘルメットは普通のモデルと軽量モデルの重量差が大きく、しかも頭に被るものなので首への負荷も大幅に軽減。サドル同様、体(頭)にきっちり合うものでお選びください。

軽量化比較の参考ヘルメットはこちらです。

おすすめヘルメット3選

  • OGK KABUTO FLEX-AIR

    OGK KABUTO FLEX-AIR
    重量:約195g (S/Mサイズ)
    参考ヘルメットから 50g軽量化

    軽量×冷却性能×フィットを高いレベルで実現させたKABUTOのフラグシップモデル。 S/Mサイズで200gを切る195gとヒルクライムレースでその姿を見かけることになるのは必至。 エアフローパッドが1段階上の冷却性能を、BOAダイヤルが細かいフィットの調整をもたらすなど、軽さ以外の性能も重視。

  • LAZER Z1 KinetiCore AF

    LAZER Z1 KinetiCore AF
    重量:230g (Mサイズ)
    参考ヘルメットから 15g軽量化

    重量増加を抑えつつ、複数方向からの衝撃を効率的に吸収するシステム「KinetiCore」を搭載した最上位グレードのヘルメット。 優れた通気性や頭全体を包み込むようなフィット感も併せ持ち、ヒルクライムに使用フィールドを限定されないオールラウンドなモデルです。

  • KASK VALEGRO WG11

    KASK VALEGRO WG11
    重量:180g (Sサイズ)
    参考ヘルメットから 65g軽量化

    プロロードチーム「イネオス」との共同開発で生まれた軽量ヘルメット。 Sサイズで180gの軽さを誇りつつ、ねじれ衝撃に対する安全新基準もクリア。 すっきりとしたシルエットで、悪目立ちしないデザインなのも魅力。

気になる軽量パーツは見つかりましたか?

これ以外にも、ここでご紹介しきれなかった軽量パーツはたくさん!あらゆるパーツのカテゴリーごとに、あらゆるメーカーから軽量パーツが発売されています。
1か所を軽くしだすとほかの部分もどんどん軽くしたくなるかも!?目的に合わせて、トータルバランスを考えて、あなただけのロードバイクを組み上げてみましょう!