「神の手を持つ男」と呼ばれたフレーム作りの職人、ウーゴ・デ・ローザが1953年に興したブランドです。18歳で独立したウーゴは、徹底して乗り手の身体に合わせたフレームを作り続けた
DE ROSA ( デローザ ) ロードバイク MERAK DISK ( メラク ディスク ) CHORUS ( コーラス ) ブルーマット 52SL
■商品特徴
DE ROSAのモデルには、ブランドとしてモデル名に特別な思い入れがあるものがいくつかあります。MERAKもそのひとつ。1990年代後半、機材用のフレーム素材の進化がスチールからチタンへ、そしてアルミへと、その歩みのスピードを上げ、次のカーボンが見え隠れしていた時代、2000年。ラトビアのロマンス・ヴァインシュタインスは、世界選手権で優勝を飾ります。その勝利に貢献したフレームが、アルミニウムのMERAKでした。
軽量アルミとして完成の域にあったMERAKは、世界選手権勝利の後、時代の流れのなかでモデルチェンジを繰り返します。
そして衝撃のデビューから20年後の2020年、最新のカーボンバイクとして生まれ変わったMERAKは、UCIワールドチームTeam Cofidisに採用され、世界のトップカテゴリーで戦う、この時代に即した力強さ、美しさ、そして初代のコンセプトである軽量性を携え、魅力的に生まれ変わりました。
ブレーキ
MERAKはディスクブレーキ専用モデルです。(Team Cofidisもディスクブレーキを使います)路面からのショックを適切に吸収して、強力なストッピングパワーのディスクブレーキとの相性も抜群。バイク前半部のバランスが良く、ロングライドでもクイックなコースでもハンドリングは常に安定。疲れにくいのも特徴です。ACRシステム
全てのワイヤー類をハンドルからステム、ヘッドチューブへと内蔵するFSAのシステムを採用。空力的な効果はもちろん、視覚的にもIDOLの特徴であり、ハンドル廻りの美しさはDE ROSAも主張するところです。正面のヘッドマークがワイヤーに邪魔されずに見えるメリットもあります。(写真は完成車の標準仕様です。オプションでフレームと同色にペイントされたハンドル/ステム一体型もお選びいただけます)
フレーム形状
フレームのデザインや各チューブの形状に奇をてらったところはなく、極めてオーソドックスなつくりといえます。比較的太目のダウンチューブに走るPininfarinaデザインの新ロゴは目を惹く部分で、トップチューブ上のMERAKロゴの字体もPininfarinaによるものです。DE ROSAはMERAKを「オールラウンダー」と位置付けしていますが、やはり最大の特徴は軽量性なので、実戦ではヒルクライムで大活躍するはずです。完成車仕様
MERAKは完成車とフレーム販売から選ぶことができます。完成車はCampagnoloのChorusのH12で組み上げ、ホイールにはFULCRUMのRACING 7DBを採用。コンポーネントの調和を第一に、別ブランドと混在せずChorusのフルセットを装備していることがポイントです。仕様
フレーム材質 | カーボン |
---|---|
フォーク材質 | カーボン |
メインコンポ | Campagnolo Chorus Disk(12S) |
クランク | 170-50/34 |
スプロケット | 11/29T(12S) |
シートポスト | DE ROSA オリジナル |
ハンドル幅 | 400mm(C-C) |
ステム長 | 70mm |
BB | 86 (86.5x41) |
ホイール | Fulcrum Racing 7 DB wheels |
タイヤ | Vittoria Rubino Pro Endurance 700X28C |
制限体重 | 90kg |
ステム | FSA NS ST ACR alloy OS-160 |
ハンドルバー | FSA K-FORCE ACR Carbon Compact |
■ジオメトリー
デ・ローザとは
スチール、チタン、アルミ、カーボン。それぞれの素材を駆使したフレーム作りを行い、カーボン全盛の現代においても金属フレームに対して真摯な姿勢で取り組む、金属を熟知したむブランド。
イタリアの至宝 UgoDeROSA
創業者のUgoDeROSAがフレーム作りをはじめたのは13歳の頃。むろんカーボンもチタンもアルミも、自転車のフレーム素材としては考えられなかった時代のことで、彼が手にしていた素材といえば、来る日も来る日もスチール。戦後の苦しい時代であったが、自転車が好きだったUgoが、自転車のフレーム作りを生活のために選んだのは運命だったのかもしれない。スポーツ自転車を扱いながら徐々にフレームの溶接を覚えていったUgoは18歳で独立。以後、プロチームのメカニックをしながらフレームを作り続けるうちにその才能が開花。多くのチームや選手から声がかかり、Ugoの周りに人が集まるようになる。そしてエディメルクスなど、数々の大選手の勝利を支える立役者となったのは有名な話で、その裏には勝利のために機材に徹底してこだわる選手に対して、フレーム職人として真正面から向き合い、双方が納得するフレームを作り続けた事実がある。そこから「伝説の職人」とまで呼ばれるようになったわけだが、それは決して大袈裟な表現ではない。そしてその素晴らしい技術や輝かしい実績はイタリアの自転車文化を語る上で外せないことであり、カーボンフレームが全盛となった現代においてもUgoの存在は「特別」なのである。
最新のカーボンフレームに生かされる金属の経験
工業製品はどんなジャンルでも初めの製品が生まれおちた時から進化が始まり、その歩みは止まらない、いや、止まってはいけないことが運命づけられている。自転車のフレームとて工業製品。その進化は大雑把に言えばフレーム素材の変化という形で、今もなお進化中だ。Ugoが最前線で腕をふるっていたころはスチールフレームをはじめとしたチタンやアルミなど、自転車フレームの素材には金属しかなかった。しかし時代はカーボンフレームだ。レース機材の素材として各メーカーが様々なカーボンフレームを送り出す現在、そのDNAにレースのスピリットが刻まれたDEROSAとて、カーボンのフレームを送り出す。それは時代の流れで逆らえないことだとUgoは言う。しかしCusanoMilaninoのDEROSA工房では変わらないこともある。それは金属のフレームをきっちり作っていることに他ならない。一般的に開発のウエイトが「設計」にかかる比率が高いカーボンフレーム製造について、DEROSAのアドバンテージは今も金属フレームを生み出していることにある。金属に対する深遠なる知識と経験があってこそ、最新の素材にも対応して、最新の素材が持つポテンシャルを引き出すことができるからだ。いっけん最新の素材には縁のなさそうな金属の知識や経験。実はこの「職人の魂」ともいえる蓄積されたコンテンツがあるからこそ、このブランドは輝きを失わない。この確固たる軸足がDEROSAの特徴であり強みなのである。
THE NEXT GENERATION
創業以来、常にレースとともに歩んできたDEROSA。Ugoが生み出してきた自転車は、むろんホビーライドでも楽しめるものであったが、彼のフレーム製作に対するこだわりがホビーレーサーにも最高のものを提供し続けてきた。その結果としてDEROSAの自転車は高価なものとなった。時は流れて21世紀になって10余年を経た現代。DEROSAはいま、変わりつつある。世界的にスポーツ自転車への関心が集まるなか、DEROSAも次の世代のユーザーを掘り起こす必要性に迫られたのだ。何よりも自らの次世代のために。そして2010年、エントリーモデルのカーボンフレーム、R848を発表。DEROSAが送り出した30万円を切る完成車に、ビギナーはもちろんベテランサイクリストも驚き、喜びを持って迎えられた。R848はユーザーの裾野を広げたのである。エントリー系モデルの製品開発が決して得意ではなかったDEROSAが、それを出すようになったのもひとつの変化。スポーツ車よりもさらに多くのユーザーをターゲットにしたシティモデルのMilaninoをリリースしたのもひとつの変化。その一方で持てる知識と技術を全て投入したPROTOSの開発や、プロ用機材に対して開発の手を休めないのもDEROSAで、これは一貫して変わらないこと。これらのハンドリングは次代のブランドの方向性を見定めたUgoの3人の息子たちが中心となって行い、DEROSAというブランドは彼らの歩幅で、次の世代に向けてゆっくりと変化を続けている。
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